共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

高等真菌類によるエネルギー消費削減型糖代謝機構解明のための分子基盤構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K05794
体系的課題番号
JP20K05794
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

キノコは担子菌門および子嚢菌門に属する高等菌類であり,森の分解者として,生態系における炭素循環システムを維持するのに大きく貢献している微生物種の一つである。自然界に存在する代表的な多糖であるデンプン,セルロース,キチンなどの植物性・動物性多糖の分解および資化能に長けており,その資化に関わる多様な酵素群をもつ。また多糖・オリゴ糖の合成能にも長けており,β-グルカンやマンナンなどの細胞外多糖やトレハロースなどの貯蓄性オリゴ糖,無数の糖鎖を配した糖タンパク質や二次代謝産物としての配糖体を生産することが知られている。本研究では,キノコが保有する植物性・動物性多糖のエネルギー消費の削減化が可能なホスホリラーゼ依存型新規糖代謝機構の全貌を明らかにするために,その分子基盤として,キノコの保有する糖関連酵素遺伝子ライブラリーの構築と遺伝子破壊・導入系を目的としたキノコによる宿主ベクター系の構築を行う。さらに得られた宿主ベクター系を用いた糖関連酵素遺伝子ライブラリーの発現系を構築するとともに、その機能評価を行う。
一昨年から行っているキノコのゲノム解析およびトランスクリプトーム解析で得られた情報を元に、属や種を超えて比較的保存されている遺伝子、恒常的に発現していると思われる遺伝子、そして目的遺伝子の発現に幅広く利用された実績のある遺伝子を対象に、それらのプロモーター領域とターミネーター領域を用いた発現カセットの構築を試みた。その結果、キノコを宿主としたいくつかの発現ベクターの構築に成功した。本年度は構築した発現ベクターを、エレクトロポレーション法もしくはポリエチレングリコールを用いた形質転換法によりキノコへ組み込み、構築した薬剤耐性遺伝子やタンパク質遺伝子の発現が見られるかの確認を行う予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K05794
ID情報
  • 課題番号 : 20K05794
  • 体系的課題番号 : JP20K05794