共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2007年

食品咀嚼香発生および感性工学手法による咀嚼香知覚のメカニズム解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)
  • 小竹 佐知子
  • ,
  • 阿久澤 良造
  • ,
  • 三浦 孝之
  • ,
  • 島村 智子

課題番号
17300239
配分額
(総額)
14,900,000円
(直接経費)
14,000,000円
(間接経費)
900,000円

食品を口に含んで咀嚼している際に口腔から鼻腔へと抜ける香気(レトロネーザルアロマ=咀嚼香)の放散現象を把握することを目的として実験を行い、以下の結果を得た。
種々食品試料(肉類・乳製品)を用いて、人パネルによる咀嚼動作測定および咀嚼中放散香気の採取を行った結果、放散香気量は、人パネルの咀嚼特性(咀嚼頻度、咀嚼力、嚥下頻度、分泌唾液料、呼気流速)に大きく依存することが認められた。また、食品の種類が変わった場合に、咀嚼特性が変化するパネリストと変化しないパネリストの存在することも明らかとなった。例をあげると、硬い肉でも柔らかい肉でも咀嚼力が変わらないパネリスト、硬い肉を食べるときの咀嚼力は大きいが、柔らかい肉を食べるときの咀嚼力は小さくなるパネリストなどである。
より詳細に咀嚼特性と放散香気量の関係を調べるため、さまざまな咀嚼特性条件を再現できる口腔咀嚼モデル器を用いた実験も行った。1996年以来使用しているモデル器(旧モデル器)は、模擬咀嚼力の出力が小さいことが確認された。そこで、実際の人パネルと同等の咀嚼力を出力できる新しいモデル器の試作に取り組んだ。これまでは再現が難しかった歯による磨砕機能を考慮した構造となっており、また、特に、従来は把握できなかった咀嚼力をモニターできるタイプのものを製作した(別称:咀嚼ロボット、特許出願)。咀嚼力をモニターできる口腔咀嚼モデル器の開発は世界初となった。製作した口腔咀嚼モデル器により、咀嚼中の放散香気に影響する因子の詳細な条件設定の下、種々食品から放散香気量を測定した。
現段階での結論は、油溶性の高い香気成分は食品から放散しにくいため咀嚼香となりにくく、一方、水溶性の高い香気成分は咀嚼香となりやすい傾向が認められた。また咀嚼力が咀嚼香の強さに大きく影響していた。

ID情報
  • 課題番号 : 17300239