2012年 - 2014年
非可換ルビン・テイト理論の一般化
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(B)) 若手研究(B)
- 課題番号
- 24740019
- 体系的課題番号
- JP24740019
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 4,420,000円
- (直接経費)
- 3,400,000円
- (間接経費)
- 1,020,000円
- 資金種別
- 競争的資金
平成24年度には,GSp(4)およびGU(3)という比較的小さい群に対応するRapoport-Zink空間のl進エタールコホモロジーについての研究を進めた.まず,リジッド空間に対するLefschetz跡公式を適用することで,これらのl進コホモロジーの交代和にLパケット間のJacquet-Langlands対応が現れることを観察することができた.この研究は以前より継続して行ってきたものであるが,本年度でひとまず完成といってよい形となった.この結果はガロア群の作用を無視しているため,単独ではやや弱い結果ではあるが,大域的な手法と合わせることで,コホモロジーに現れる表現を絞り込むための必要不可欠な道具の一つとなるはずである.また,この研究によって,安定共役類の理論とp進Hodge理論の間に密接な関係があるであろうという予測を立てることが可能になった.この関係については今後の研究課題である.さらに,この研究の途中でRapoport-Zink空間の新しい整モデルが得られたが,これは今後の研究においても有効に活用されると思われる.また,Rapoport-Zink空間のl進コホモロジーとZelevinsky対合の関係についての研究も実施した.GL(n)の場合のFarguesによる結果を参考にして,GSp(4)やGU(3)のRapoport-Zink空間のl進コホモロジーの尖点部分に自然にZelevinsky対合が現れることが証明できた.これの応用として,GSp(4)の場合は2次の,GU(3)の場合は1次のコホモロジーの尖点部分が0になることが証明できる.また,GSp(4)の場合は4次,GU(3)の場合は3次のコホモロジーに現れる非緩増加表現についても有益な情報が得られる(Arthur予想に基づく大域的な考察と整合的になっている).この成果は,今後のより詳細な研究の道標となると期待できる.
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 24740019
- 体系的課題番号 : JP24740019