2017年4月 - 2021年3月
健康生成論に基づく中学生の「生きる力」形成要因と人生経験の究明に関する縦断研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
2018年に実施したパイロットスタディ(中学生を対象とした親子調査、横断研究)について分析を行った。分析の結果、母親と女子生徒のSOCには相互の関連がみられたが、男子生徒と母親のSOCには関連がみられなかった。女子生徒のSOCは、母親が自覚する心身の良好さと正の関連がみられたが、男子生徒のSOCは、母親のコンディション(母親の回答)と全く関連がみられなかった。また、女子生徒のSOCは、女子生徒自身が「親からの受容や見守りを感じていること」と高いSOCとの関連がみられ、男子生徒は「他者評価に過敏であること」と低いSOCに強い関連がみられた。
また、男女別にSOCを従属変数とした重回帰分析を行ったところ、女子生徒はASD傾向が強いこと、回避的な援助希求行動をとることとSOCの低さが関連していたが、男子生徒についてはこれらの変数とSOCの関連は見られなかった。男子生徒は、「他者の言動に敏感であること」や「親からの過剰な心理統制があると感じること」がSOCの低さと関連していた。男女ともに、学校所属感があることが、SOCの高さと有意な関連があった。これらの結果から、周囲とのコミュニケーションがうまくいっていない女子生徒には教員や親から積極的に声をかけていく必要性や、男子生徒については、親の態度としては口うるさく指示しないほう良いのではないかという示唆が得られた。結果については、調査協力校での保護者会で研究者から報告し、国際学会及び国内学会でも発表した。
2019年3月~4月にかけて、都内の中等教育学校と関東の公立中学校から協力を得て、中等教育学校は1年生のみ、公立中学校は全学年を対象として、縦断研究の第1回目を実施している。調査内容はパイロットスタディに準じ、親子調査で3年間の縦断研究の予定を組んでいる。
また、男女別にSOCを従属変数とした重回帰分析を行ったところ、女子生徒はASD傾向が強いこと、回避的な援助希求行動をとることとSOCの低さが関連していたが、男子生徒についてはこれらの変数とSOCの関連は見られなかった。男子生徒は、「他者の言動に敏感であること」や「親からの過剰な心理統制があると感じること」がSOCの低さと関連していた。男女ともに、学校所属感があることが、SOCの高さと有意な関連があった。これらの結果から、周囲とのコミュニケーションがうまくいっていない女子生徒には教員や親から積極的に声をかけていく必要性や、男子生徒については、親の態度としては口うるさく指示しないほう良いのではないかという示唆が得られた。結果については、調査協力校での保護者会で研究者から報告し、国際学会及び国内学会でも発表した。
2019年3月~4月にかけて、都内の中等教育学校と関東の公立中学校から協力を得て、中等教育学校は1年生のみ、公立中学校は全学年を対象として、縦断研究の第1回目を実施している。調査内容はパイロットスタディに準じ、親子調査で3年間の縦断研究の予定を組んでいる。
- ID情報
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- 課題番号 : 17K01798
- 体系的課題番号 : JP17K01798