共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年6月 - 2022年3月

ミトコンドリア、ゴルジ体に関連する応答ゾーン、連携ゾーン解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)  新学術領域研究(研究領域提案型)

課題番号
17H06414
体系的課題番号
JP17H06414
配分額
(総額)
253,890,000円
(直接経費)
195,300,000円
(間接経費)
58,590,000円

1つのオルガネラの中には、異なる役割を担う場が存在し、本領域ではこれをオルガネラ・ゾーンと命名している。本研究では、「ミトコンドリアとゴルジ体の応答ゾーン」、「ミトコンドリアと小胞体、ゴルジ体の連携ゾーン」を中心に解析を行なった。
1、ゴルジ体ストレス応答ゾーン:このゾーンには、ゴルジ体ストレス時に、過剰な分泌たんぱく質の蓄積を抑制するためのGOMEDゾーン、プロテオグリカン型糖鎖修飾を行うプロテオグリカン・ゾーン、ムチン経路を担うムチン・ゾーンなどが存在する。(1)GOMEDに関しては、GOMEDを誘導できる低分子化合物を発見し、この化合物の作用機序を明らかにすることにより、ゴルジ体膜で起こっているストレス応答現象を概ね理解することに成功した。 (2)プロテオグリカン・ゾーンに関しては、これを制御するエンハンサーとしてPGSE-AとPGSE-Bを同定し、PGSE-Aに結合する転写因子の候補としてKLF familyの転写因子群を見出した。 (3)ムチン・ゾーンに関しては、このゾーンを増強する標的遺伝子とエンハンサー配列MGSEを同定した。
2、ミトコンドリア・小胞体(Mt-ER)連携ゾーン: 出芽酵母またはHeLa細胞のミトコンドリア,小胞体膜上に,split-GFP分子を標的化させることで任意のオルガネラ間コンタクトサイトを可視化,定量化する実験系の構築に成功した。これを定量化し,遺伝学スクリーニングと組み合わせることで,ミトコンドリア-小胞体間連携ゾーン形成に重要な役割を果たす新規因子の同定に成功した。また、①既存のERMES複合体が会合と解離を繰り返すこと、②適切なミトコンドリア分裂が不必要なERMES複合体の会合を阻害することでコンタクトサイトの数を調節すること、③小胞体ストレスが、ミトコンドリア-小胞体間コンタクトサイトの数を顕著に増加させることを明らかにした。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PLANNED-17H06414
ID情報
  • 課題番号 : 17H06414
  • 体系的課題番号 : JP17H06414