2018年4月 - 2020年3月
固体表面への機能集積による有機分子触媒反応の高効率化
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
- 課題番号
- 18H04242
- 体系的課題番号
- JP18H04242
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 6,240,000円
- (直接経費)
- 4,800,000円
- (間接経費)
- 1,440,000円
- 資金種別
- 競争的資金
今年度の研究では、固体表面の特異な反応場を利用した有機分子、金属錯体、あるいは表面官能基が関与する触媒反応の加速効果の解明を目指した。有機分子触媒を酸化物表面に固定化した触媒では、固定化後の触媒の種々分光法による構造解析や組成分析を行い、固定による構造変化の有無について解析を実施中である。種々の固定化方法を試み、それらが触媒活性および選択性に及ぼす影響を共同研究によって調査している。さらに、有機分子だけでなく、金属錯体を固定化した際の構造解析も同様に実施し、担体の表面官能基と錯体の協奏的な触媒作用によってアリル化反応が加速されることを見出した。特に、アリル化剤の中でも反応性が低く活性化が難しいとされているアリルアルコールの反応において、シリカ表面のSi-OH基の弱酸性質によってC-O結合の開裂が促されることを見出し、水のみを副生成物とする求核剤アリル化反応を実現した。固定化触媒であるため、反応後の分離も容易であり、実用性の高い合成反応系が確立できつつある。本成果に関しては既に論文を投稿、受理されており、学術誌の表紙に採択されるなど国内外で高く評価されている。加えて、有機分子そのものの新しい触媒作用に関しても研究を進めており、関連する総説論文を2件発表している。特に、シンプルなアンモニウム塩触媒が二酸化炭素の転換反応へ利用できることを既に見出しており、来年度へ向けて、これらの有機分子触媒の固定化と、固体表面での協奏的触媒作用について研究を進めてゆく。
- ID情報
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- 課題番号 : 18H04242
- 体系的課題番号 : JP18H04242