共同研究・競争的資金等の研究課題

2010年4月 - 現在

図形学習における数学的理解の促進モデルの研究

科学研究費補助金  

資金種別
競争的資金

数学的理解をできる限り適切に捉えるための「理解のモデル」を,実際の算数・数学授業の設計や展開にどのように機能させることができるのかという問題は重要である。児童・生徒に算数・数学を理解させるためにはどのような状況を設定すればよいか,理解をどのような方向に深化させればよいかを教授学的原理として提示することを目指し,「理解のモデル」に関する研究にはさらなる進展が要請されている。これらを踏まえ,本研究では図形概念の数学的理解を促進させる認知的行為に着目する。即ち,第1に,児童・生徒にとって少なくとも数概念と図形概念の認知的困難は質的に異なると考えられることから,数学学習における理解の対象を焦点化する。第2に,「推論行為」を数学的理解を促進させる認知的行為として,理解の方法を特徴付ける。それを観察,分析するための観点は「推論するための命題をどのように作り出したのか」と「作り出した命題をどのように正当化したのか」としている。また本研究では,研究の課題が常に実践の中から見出され,研究の成果が常に教育実践のよりよい発展に寄与されることを目指している。