その他

2010年4月 - 2010年4月

溶解炉の窒素分圧制御によるアルミドロスの資源化


Al溶解時に不可避に発生するドロスは、主成分である酸化物(Al2O3)の他にアンモニアガス発生の原因となる窒化物(AlN)を含んでいることから、前処理を必要とした後に管理型埋め立て処理されている。しかしAlの溶解条件次第では、AlN含有率の高いドロスをアンモニア資源として回収可能である。これまで除去の対象であったAlNを積極的に合成する逆転の発想から、本研究ではAl溶解炉内のN2ガス分圧を上げ、従来ドロスの主成分である酸化物(Al2O3)の発生を抑制し、AlNが主成分となるドロスの合成に取り組む。合成したドロスをアルカリ水溶液で加水分解反応させることで、AlN由来の「アンモニア」、ドロス回収時に混入するメタルAl由来の「水素」、水溶液から析出する「Al水酸化物(Al(OH)3)」を製造できる。さらに、酸化物の減少により埋め立て処理量を大幅に削減できるため、埋め立て処理場枯渇抑制など環境負荷の低減が大いに期待できる。