2017年4月 - 2023年3月
海馬依存的学習におけるミクログリアの生理的役割の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
海馬の高次学習機能にミクログリアが関与する可能性を検討した。選択的な阻害剤であるミノマイシンを用いて、恐怖条件付け学習における作用を検討した。まず、養育環境がどのような影響を及ぼすのか検討した。その結果、ミクログリアを抑制しても集団もしくは個別ので飼育にかかわらず学習の成立に影響を及ぼさなかった。また、獲得過程や再強化過程においても、ミノマイシンは再現性のある効果を発揮しなかった。そこで部位特異的かつ時間特異的にミクログリアの機能を制御する目的で、ミクログリアのマーカーであるCD11bに注目したが、CD11bを発現していないミクログリアの存在が推測されたので、CX3CR1に注目した。CX3CR1-Creマウスやラットがいるので、いろいろな操作がしやすいと思われたからである。取り急ぎ、CX3CR1-Creラットは導入した。そこで、Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drugもしくはdiphtheria toxin A subunitをAAVを用いて脳内に発現することを試みた。マイクログリアにAAVが感染すれば良いので、まず、AAV-Rh10-Iba1-mCherry/dTAを試みたが発現は認められなかった。そこでAAV-1-hM4D(Gi)pAAV CD68-hM4D(Gi)-mCherryを用いたが報告されているようなミクログリアに特異的な発現は観察されなかった。現在CAGプロモーターでAAV-5,6,9,DJ8,Rh10でミクログリアにおける発現を検討している。
- ID情報
-
- 課題番号 : 17K01980
- 体系的課題番号 : JP17K01980