共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

インプラント埋入誘発性BP製剤関連顎骨壊死に対する革新的治療法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K09664
体系的課題番号
JP18K09664
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究は、インプラント埋入で高頻度で誘発されるBRONJモデルを作製してビスフォスフォネート製剤(BP)製剤がインプラント治療に与える影響を明らかにし、QQ-MNCs移植がインプラント埋入誘発性高頻度発現型BRONJに与える影響を検索して、インプラント治療が関連するBRONJの治療法開発と治療ガイドライン作成に寄与する基盤構築を行うことを目的とした。本年度はまず、前年度に開発したインプラント周囲における高頻度発現型BRONJモデルの詳細な検討を行った。その結果、経口骨粗鬆症薬とステロイドを併用してインプラント周囲に高頻度発現型BRONJを起こした群のほとんどでは、インプラント周囲粘膜が大きく欠損してインプラント上部で骨露出が認められるとともに、インプラントに沿ってインプラント下方まで広く壊死骨が存在していた。また、インプラント上部と下部では、上部の方がより壊死骨が多く存在していた。一方、インプラント周囲より離れた部位では壊死骨は存在せず、全体としてインプラントを覆うように空の骨小腔を伴う壊死骨が認められた。また、残存しているインプラント周囲軟組織を免疫組織化学的に解析した結果、経口骨粗鬆症薬とステロイド併用群では血管形成阻害が起こっており、マクロファージの細胞挙動が変化していた。以上のことから、抜歯後に発症するBRONJでは抜歯窩上部に壊死骨が大量に認められる組織病理学的所見とは大きく異なり、インプラント周囲に起こるBRONJは、インプラント上部で発生した骨壊死がインプラントに沿って下部へと波及する可能性が強く考えられた。そしてインプラント周囲軟組織における血管形成阻害とマクロファージの挙動変化がインプラント周囲に起こるBRONJの病因となる可能性が考えられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K09664
ID情報
  • 課題番号 : 18K09664
  • 体系的課題番号 : JP18K09664