症例は60歳男性。39歳時にWerner症候群と診断された。58歳時にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染による両下肢の化膿性踵骨骨髄炎を発症、抗菌薬投与とデブリードマンを行うも慢性化した。20XX年4月中旬から発熱を認め、他院に尿路感染症疑いで入院となった。血液培養検査にてMRSA(2セット)が同定され、経胸壁心エコー検査では大動脈弁に15mm大の可動性のある疣腫と高度弁逆流を認め、感染性心内膜炎(IE)と診断された。うっ血性心不全を呈しており、緊急大動脈弁置換術(機械弁)を施行した。IEの感染源は両下肢踵骨であったため、術後2日目に両側下肢離断術(大腿部)を行った。術後3日目以降の血液培養は陰性化し、感染制御は良好であり、術後96日目に自宅退院となった。退院後は訪問リハビリテーションと看護を継続し、術後3年10ヵ月が経過し車椅子で外来通院中である。(著者抄録)