歯周組織再生の中心となる歯周組織幹細胞に対して、歯周組織の創傷治癒や再生に関わるサイトカイン群を作用させた際に繰り広げられる細胞内シグナルのクロストークについて検討した。小分子化合物であるTGF-βI型受容体阻害剤処理を用いた実験システムにより、TGF-βは成熟した硬組織形成細胞からの基質産生のみならず、BMP2刺激により誘導される歯根膜細胞の硬組織形成細胞へのコミットメントを制御していることを見出した。DNAマイクロアレイによる全遺伝子網羅解析により、E3ユビキチンリガーゼであるSmurf1とSki, Smad7が歯根膜細胞の硬組織形成細胞への分化にとり重要であることを明らかにした。