2020年4月 - 2023年3月
海水面状態の変化が汀線に接続した斜面の変動に及ぼす影響
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本研究では、海岸斜面変動の中でも生産土砂が極めて大きい海岸地すべりに着目し、地すべりの変位量や間隙水圧の観測はもちろんのこと、海象現象についても高時間分解能の観測を行う。得られたデータを総合的に解析することにより、波浪や潮位の変化などに伴う斜面の不安定化プロセスを明らかにするとともに、海水面状態の変化が汀線に接続した斜面で発生する地すべりに及ぼす影響について実証的に評価することを目的とする。
本研究のため、北海道東部の太平洋側に面した海岸地すべりを試験地として選定した。試験地周辺は脆弱な地質からなり、波浪による汀線接続斜面の侵食が著しく大きい。現地踏査およびドローンによる測量の結果、当該地すべりは斜面長80~90m、幅20~35mで7つのブロックに区分することができた。当該する地すべりに加え、隣接する斜面長約40、幅約30mの小規模な地すべりも研究対象とした。いずれの地すべりも過去に何回も移動を繰り返した痕跡があることから、地すべりは臨界状態に近い状態にあると推察され、研究を実施する上で極めて適した条件を備えている。本年度は各種の観測機器類の設置を計画していたものの、コロナ禍のため行動が制限されたことや、必要機材の調達が遅れたことなどにより、地表伸縮計1基および汀線監視カメラ1基のみの設置にとどまった。地表伸縮計は斜面の下部ブロックに設置し、10分間間隔で観測したが、設置後に顕著な変位は捉えられていない。このため、過去に移動した汀線接続斜面の地すべりについて、傾斜計や地表伸縮計のデータを元に解析を行ったところ、海岸侵食が地すべり変位の誘因として重要な役割を果たすことを明らかにした。
本研究のため、北海道東部の太平洋側に面した海岸地すべりを試験地として選定した。試験地周辺は脆弱な地質からなり、波浪による汀線接続斜面の侵食が著しく大きい。現地踏査およびドローンによる測量の結果、当該地すべりは斜面長80~90m、幅20~35mで7つのブロックに区分することができた。当該する地すべりに加え、隣接する斜面長約40、幅約30mの小規模な地すべりも研究対象とした。いずれの地すべりも過去に何回も移動を繰り返した痕跡があることから、地すべりは臨界状態に近い状態にあると推察され、研究を実施する上で極めて適した条件を備えている。本年度は各種の観測機器類の設置を計画していたものの、コロナ禍のため行動が制限されたことや、必要機材の調達が遅れたことなどにより、地表伸縮計1基および汀線監視カメラ1基のみの設置にとどまった。地表伸縮計は斜面の下部ブロックに設置し、10分間間隔で観測したが、設置後に顕著な変位は捉えられていない。このため、過去に移動した汀線接続斜面の地すべりについて、傾斜計や地表伸縮計のデータを元に解析を行ったところ、海岸侵食が地すべり変位の誘因として重要な役割を果たすことを明らかにした。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H01984
- 体系的課題番号 : JP20H01984
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
Bulletin of Engineering Geology and the Environment 81(12) 2022年12月 査読有り
講演・口頭発表等
7-
日本地球惑星科学連合2023年大会 2023年5月
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京都大学防災研究所研究発表講演会 2023年2月
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日本地すべり学会研究発表会 2022年9月
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令和3年度 京都大学防災研究所研究発表講演会 2022年2月21日
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日本地すべり学会第60回研究発表会 2021年9月15日
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日本地すべり学会第60回研究発表会 2021年9月15日
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日本地すべり学会第60回研究発表会 2021年9月15日