2017年12月
腫瘍特異的融合遺伝子を標的としたピロール・イミダゾール・ポリアミド(PIP)の開発
日本大学医学部総合医学研究所紀要
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- 巻
- 5
- 号
- 開始ページ
- 25
- 終了ページ
- 28
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本大学医学部
染色体異常により生じる融合遺伝子は、がんの診断マーカーや治療標的として非常に有望である。我々はこれまでに、配列特異的にDNAに結合する性質を持つピロール・イミダゾール・ポリアミド(PIP)を用いて融合遺伝子を標的とした薬剤の開発を行ってきた。それらのうち、胞巣型横紋筋肉腫(ARMS)特異的融合遺伝子PAX3-FOXO1を認識するPIPにアルキル化剤クロラムブシル(ChB)を付加した化合物Rhab-ChB1が、培養腫瘍細胞に対して強い増殖抑制効果を持つことを確認した。しかしながら、この作用は標的特異的ではなく、融合遺伝子陰性の細胞に対しても同様の効果を示した。なお、Rhab-ChB1はChBの少なくとも100倍以上低い濃度で細胞障害性を示したことから、新規のアルキル化剤として応用できる可能性が考えられた。(著者抄録)
- ID情報
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- eISSN : 2188-2231
- 医中誌Web ID : 2019089868