2018年4月 - 2023年3月
決定論的ドーピング法に基づく量子物性制御とその確率的情報処理・量子計測への応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
- 課題番号
- 18H03766
- 体系的課題番号
- JP18H03766
- 担当区分
- 研究分担者
- 配分額
-
- (総額)
- 43,940,000円
- (直接経費)
- 33,800,000円
- (間接経費)
- 10,140,000円
本研究では、決定論的ドーピング法の多元化、新たな量子物性の発現と制御、それらが動作を支配するデバイス・回路の創製、確率的情報処理・量子計測の展開を目指している。本年度は、以下の項目に取り組んだ。
①決定論的ドーピング法の多元化と量子機能の発現:室温で量子準位系の利用が期待されるドーパント(Ge、Er)、及び窒素-空孔(NV)センターをそれぞれSi、及びダイヤモンド表面に配列形成するプロセスを構築すると共に、以下に示す量子準位系の生成と評価を進めた。(1)Ge-空孔(GeVn)/Si:深い準位を作るGeイオン注入と続く低温熱処理によって生成されるGeVnに対して第一原理計算を行い、ドナー準位を同定した。室温での量子輸送を期待させる結果を得た。(2)Er/Si:2準位系を作るErを注入し、1.5um帯の赤外光照射による光励起電流を計測した。Erの光吸収スペクトルに比例する光励起電流を観測し、赤外領域での光吸収能を見出した。(3)Er-酸素複合体/Si:3次元アトムプローブ法により、単一フォトン源として期待されるEr-Ox複合体の分布を捉えることに成功し、光学的活性との関連性調査を開始した。(4) NVセンター/ダイヤモンド:NVセンターの生成収率を向上させると共に、基板表面の水素核スピンを検出(ナノNMR)できることを見出した。
②単一ドーパント量子ドットを用いたTHz波検出器の開発:テラヘルツ検出の周波数帯域に応じた最適なアンテナ構造を設計し、デバイスとの結合を行った。
③単一ドーパントデバイスの回路実装:単一ドーパントデバイスの特性・物理現象を解析し、既に単電子デバイス用に開発済みのシミュレーターの単ドーパント系への拡張を進めた。これを基に、想定される単ドーパントデバイスの回路構成を検討し、具体的なシミュレーションとその動作検証を行い、その有用性を確認した。
①決定論的ドーピング法の多元化と量子機能の発現:室温で量子準位系の利用が期待されるドーパント(Ge、Er)、及び窒素-空孔(NV)センターをそれぞれSi、及びダイヤモンド表面に配列形成するプロセスを構築すると共に、以下に示す量子準位系の生成と評価を進めた。(1)Ge-空孔(GeVn)/Si:深い準位を作るGeイオン注入と続く低温熱処理によって生成されるGeVnに対して第一原理計算を行い、ドナー準位を同定した。室温での量子輸送を期待させる結果を得た。(2)Er/Si:2準位系を作るErを注入し、1.5um帯の赤外光照射による光励起電流を計測した。Erの光吸収スペクトルに比例する光励起電流を観測し、赤外領域での光吸収能を見出した。(3)Er-酸素複合体/Si:3次元アトムプローブ法により、単一フォトン源として期待されるEr-Ox複合体の分布を捉えることに成功し、光学的活性との関連性調査を開始した。(4) NVセンター/ダイヤモンド:NVセンターの生成収率を向上させると共に、基板表面の水素核スピンを検出(ナノNMR)できることを見出した。
②単一ドーパント量子ドットを用いたTHz波検出器の開発:テラヘルツ検出の周波数帯域に応じた最適なアンテナ構造を設計し、デバイスとの結合を行った。
③単一ドーパントデバイスの回路実装:単一ドーパントデバイスの特性・物理現象を解析し、既に単電子デバイス用に開発済みのシミュレーターの単ドーパント系への拡張を進めた。これを基に、想定される単ドーパントデバイスの回路構成を検討し、具体的なシミュレーションとその動作検証を行い、その有用性を確認した。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 18H03766
- 体系的課題番号 : JP18H03766