2017年4月 - 2020年3月
原発避難からの帰還地域における希望と不安の社会論理
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
2011年の原発事故以降,全町避難を経験した地域住民への聞き取り,および同地域住民の自主的会合をビデオ収録した.それを,会話分析の手法により分析し,不安などの感情が,どのように社会的に組織されるかの一端を,明らかにした.不安を持つことの(あるいはそれを表明しないことの)理解可能性は,人にまつわる諸概念(「若者」,「親」,「働き手」,「住民」など)間の一般的な概念結合関係に支えられている.この諸概念には,知識や責任(放射線の知識,親としての責任など)の配分が結びつく.一方,この一般的な概念結合が,そのつどの語りのなかで焦点化・挑戦を受けることにより,当該地域の不安の特殊性が構成される.
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- 課題番号 : 17K04092
- 体系的課題番号 : JP17K04092