2019年9月
紀伊水道南方海域および熊野灘の深海底生動物相
三重大学大学院生物資源学研究科紀要
- 巻
- 45
- 号
- 45
- 開始ページ
- 11
- 終了ページ
- 50
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 三重大学大学院生物資源学研究科
紀伊水道南方海域および熊野灘の深海底生動物相を明らかにするために,2018年4月三重大学練習船勢水丸のNo.1803研究航海において,ドレッジ及びビームトロール調査を行った。この調査には幅広い動物門を対象とする,三重大学内外の系統分類学と生態学研究者18名が参加した。水深80m から821m の11か所で調査を行い,11の動物門が確認された。最も多様性が高い定点では1か所に100種以上の動物が確認された。節足動物,棘皮動物,環形動物,軟体動物のマクロベントスは大部分の調査定点から採集された。メイオベントスでは,節足動物の貝形虫類,タナイス類,等脚類,クーマ類,ダニ類,そして鰓曳動物が確認された。また自由生活性の生物の他に,甲殻類や多毛類,ナマコ類,ウニ類,ホヤ類,魚類に寄生する節足動物,扁形動物,鉤頭動物,環形動物,刺胞動物が認められた。甲殻類や多毛類,ユムシ類の未記載種や棘皮動物,珍渦虫類の日本初記録種及び海域初記録種が確認された。今後,試料を検討,種同定することにより,さらに確認種数は増加し,生物相が明らかにされるだろう。
- リンク情報
- ID情報
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- CiNii Articles ID : 120006777572
- CiNii Books ID : AA12234310