2018年10月
ムンプスワクチン接種後に可逆性脳梁膨大部病変を呈した急性脳炎の1例
小児科臨床
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- ,
- 巻
- 71
- 号
- 10
- 開始ページ
- 1689
- 終了ページ
- 1694
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本小児医事出版社
我々は、ムンプスワクチン接種後に、可逆性脳梁膨大部病変を呈した急性脳炎(clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion:MERS)の10歳男児例を経験した。発熱、頭痛、嘔吐、行動異常、意識障害で入院し、髄液検査で細胞数上昇と、頭部MRI拡散強調画像で脳梁膨大部に高信号域を認め、MERSと診断されたが、11日の経過で自然軽快した。ムンプスワクチンの副反応では、MERSの報告は少ないが、ワクチン株を原因として発症する可能性が示唆された。MERS症例では、予防接種歴を確認することが重要と考えられた。しかし、ムンプスに罹患する可能性とワクチンに伴う合併症の頻度を比較すると、ワクチンを受けるメリットの方が高いと考えられる。
- ID情報
-
- ISSN : 0021-518X