2020年7月 - 2023年3月
多孔質ガラス表面上のGe量子構造創製と光電子融合素子への応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
本研究では、透明基板やフレキシブル基板上のIoTデバイス実現に向けて、ナノ多孔層を有するガラス基板上への高品質な半導体量子ナノ構造形成技術の確立を目指している。
ガラス基板上のGeナノ結晶の作製のため、ガラス基板表面から階層的にサイズが変化するナノ多孔層(HNL)を溶液エッチングによって形成し、そのHNLガラス基板上に固体ソースMBEを用いてアモルファスGeを堆積後、結晶化アニールを行い、Geナノ結晶の作製を試みた。
昨年度までに、ナノ結晶の単結晶成長と強い発光が確認されているが、ガラス中に形成されたナノ構造と、ガラス上部の膜状Geのどちらからの発光でるかの区別が付けられない問題があった。今年度は、上部薄膜をエッチングすることで発光がどのように変化するかを詳細に調べた。Geのエッチングは過酸化水素水により行った。その結果、HNL基板上にGeを堆積した試料においては、エッチングと共に発光強度が増大することが確認された。これは、上部のGe薄膜をエッチングによって除去することで、フォトルミネッセンス測定の励起レーザー光が内部まで侵入し、より内部の構造からの発光を評価できるようになったためである。つまり内部のGeの方が発光強度が強いことを示している。これは、内部にGeナノ構造が形成されていることを強く示唆している。これと比較して、HNLを有していない未処理のガラス基板上にGeを同様に形成した試料では、エッチングと共に強度は特に変化せず、Ge層の減少と共に強度減少が見られた。つまり、Geナノ構造が形成されていないことを示している。以上の結果より、ガラス基板にHNL形成することで、その上にGeナノ構造が形成されたことが示された。
ガラス基板上のGeナノ結晶の作製のため、ガラス基板表面から階層的にサイズが変化するナノ多孔層(HNL)を溶液エッチングによって形成し、そのHNLガラス基板上に固体ソースMBEを用いてアモルファスGeを堆積後、結晶化アニールを行い、Geナノ結晶の作製を試みた。
昨年度までに、ナノ結晶の単結晶成長と強い発光が確認されているが、ガラス中に形成されたナノ構造と、ガラス上部の膜状Geのどちらからの発光でるかの区別が付けられない問題があった。今年度は、上部薄膜をエッチングすることで発光がどのように変化するかを詳細に調べた。Geのエッチングは過酸化水素水により行った。その結果、HNL基板上にGeを堆積した試料においては、エッチングと共に発光強度が増大することが確認された。これは、上部のGe薄膜をエッチングによって除去することで、フォトルミネッセンス測定の励起レーザー光が内部まで侵入し、より内部の構造からの発光を評価できるようになったためである。つまり内部のGeの方が発光強度が強いことを示している。これは、内部にGeナノ構造が形成されていることを強く示唆している。これと比較して、HNLを有していない未処理のガラス基板上にGeを同様に形成した試料では、エッチングと共に強度は特に変化せず、Ge層の減少と共に強度減少が見られた。つまり、Geナノ構造が形成されていないことを示している。以上の結果より、ガラス基板にHNL形成することで、その上にGeナノ構造が形成されたことが示された。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K21009
- 体系的課題番号 : JP20K21009