秋野 有紀
基本情報
- 所属
- 早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授
- (兼任)政治経済学術院 政治経済学部
- 学位
-
博士(Dr.phil.)(Universität Hildesheim, Germany)博士(学術)(東京外国語大学大学院、日本[共同指導による学位授与協定に基づく])
- 連絡先
- aknyk.2023gmail.com
- researchmap会員ID
- 6000025891
- 外部リンク
主にドイツ語圏を中心に、文化政策(制度、思想、歴史)を研究しています。
これまで、憲法起草過程における「芸術」振興の条文の議論の過程(ヴァイマル憲法)や、ドイツのミュージアムの社会的機能、インバウンド観光の目玉のように思われてきたミュージアム・メガイベントによる財源形成の仕組み(都市単位での文化政策のための基金として積立て、90年代以降に租税依存を脱却)、対外文化政策、劇場の統廃合、振付著作権などを扱ってきました。
現在は、文化政策の中でも、「芸術を理解する者(国家)の方が、経済活動のみに関心を持つ者(国家)より”高尚”だ」というイデオロギーを国家理念(文化国家論)にまで(無理矢理)高めていった第一次大戦期のドイツをはじめとし、「ヨーロッパ近代」や「国民国家」形成の問題と、その装置として誕生した(欧州発祥の近代型の)文化施設や文化政策の系譜に、興味を持ち、授業をし、分析しています。
教養市民層だけのための「高尚な文化」や「芸術のための芸術」といった姿勢を否定し、文化概念を「対話のメディア(触媒)」へと更新し、民主社会全体の基盤(言語表現の苦手な人たちも含めて、広く人間の「表現」に、社会的な対話の機能を期待する考え。そのために「表現の自由」「芸術の自由」が重要とされる)と位置づけることで、第二次世界大戦以前の文化政策の「落とし穴」を克服しようとした現代ドイツの文化政策の政策理念を先に研究し、目下、再び「落とし穴」に向かう前の時代の、宮廷貴族時代(王と芸術)から、近代国民国家形成と文化政策の結合する過程(文化国家)に興味を持っています。
芸術文化を無批判に所与の「価値のあるもの」と見なして文化政策を語るのではなく、「価値」の生成過程も含めて批判的に捉え直し、その上で、文化政策はどうあることができるのか、を日本の中世時代以降の思想も参照することで、探りたいと思っています。
「良かれ」と思った意欲的な政策が、ことごとく裏目に出たのが、ドイツ近代の文化政策だったように思います。この時期の思想的影響は、日本も近代化の過程で極めて大きく受けており、ドイツの文化政策史の野望・理想とその顛末・克服は、現代において、文化政策の「落とし穴」を避けたギリギリのラインで文化政策のバランスをとるためにも、慎重に、何が問題だったのかを見極め、各国が参照する意義のある事例です。
個人的には、毎年、100人程度の世界各国の留学生を、4人の日本人で受け入れていた大学の国際交流の寮で、事務的手続き等も手伝いながら、留学生たちと生活を共にし、交流イベントを行ってきた学生時代&ドイツ・英語圏(英国、カナダ、米国)での研究修行時代の経験から、主な研究対象の欧米以外にも、あまり日本では日常的には話題に上らない(?)国々(トルコ、イーラン、スロヴェニア、キプロス、ウズベキスタン、スーダン等)にも、今も親しくしている20年来の友人がおり、多文化・異文化、外から見た日本像などの議論も、結構好きです(しかしこの分野は、個人的経験のみで、専門的知識・見識は、十分にはありませんが)。
人間の身体表現(バレエ、オペラ等のパフォーミング・アーツ&サッカー)と、各国観光名所(お城、役所、神社)の付近にいるぶさかわ度(?)が結構高いのにすまして鎮座している真面目で由緒正しそうな動物像の写真撮影が、非常に好きです。そのコミュニティで古くから大事に、誇りに思われてきたのかなと、勝手にほほえましい歴史を想像してしまいます。
(で、研究者の好奇心を発揮し、その街の史料館の人に尋ねると、「もともとは王の霊廟の飾りの予定が、資金がなくなり、ライオンだけ余りまして・・・・・・」とか、「数十体、同じものが世界にあります」など、意外な由来が返ってくるので飽きません。霊廟制作中に権力者が資金難、あるいは、計画を変えてしまうって問題は、ミケランジェロとユリウス2世以外にも、当時はよくあった話なのでしょうかね、、、)。
主要な研究キーワード
10主要な研究分野
4主要な経歴
10-
2022年4月 - 現在
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2019年4月 - 2020年3月
学歴
2-
2006年4月 - 2010年3月
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- 2010年3月
主要な委員歴
7-
2023年6月 - 現在
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2022年8月 - 現在
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2017年12月 - 2020年3月
受賞
2主要な論文
11-
Fachzeitschrift Kulturpolitische Mitteilungen II(161) 41-42 2018年7月 招待有り
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日本ドイツ学会『ドイツ研究』 (52) 93-111 2018年3月 査読有り
主要なMISC
32-
『令和5年度 文化庁と大学・研究機関等との共同研究事業 諸外国の文化政策等に関する調査・研究 報告書』 86-122 2024年2月18日 責任著者
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日本芸能実演家団体協議会『芸術家の社会保障に関する研究 「人への投資」の時代ー文化芸術の担い手が安心して「働く」制度の構築に向けてー』 72-84 2023年5月 招待有り
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令和3年度文化庁と大学・研究機関等との共同研究事業『新型コロナウイルス感染症の影響に伴う諸外国の文化政策の構造変化に関する研究』 194-197 2022年3月 招待有り筆頭著者責任著者
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文化庁『ダイバーシティと文化政策に関するレポート(平成30年度文化庁委託事業・諸外国の文化政策等に関する比較調査研究)』 33-50 2019年3月 招待有り
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文化庁 地域文化創成本部事務局総括・政策研究グループ『平成29年度諸外国における文化政策等の比較調査研究事業報告書』 77-109 2018年3月 招待有り
主要な書籍等出版物
11-
Universitätsverlag Hildesheim 2019年7月 (ISBN: 9783487157955)
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美学出版 2019年2月 (ISBN: 9784902078541) 査読有り
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美学出版 2017年9月 (ISBN: 9784902078473) 査読有り
主要な講演・口頭発表等
29-
2024年6月29日 「新啓蒙主義と謝罪の文化」研究会 招待有り
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<Chat de Café> JITOWコラボシリーズ#5 2024年3月6日 招待有り
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UNESCO:日本における芸術家・文化の担い手の地位向上に関するセミナー 2023年10月3日 国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)東アジア・マルチセクトリアル地域事務所 招待有り
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Sustainable Futures of Culture Project International Workshop on Cultural Labour : Experts Session, cultural labour in the changing contexts of cultural policy, social policy and labour policy of Japan 2023年6月24日 Doshisha Univ. / KCL London 招待有り
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文化芸術振興議員連盟 勉強会(参議院議員会館) ー世界の芸術家への社会保障についてー 2022年11月15日 文化芸術振興議員連盟/文化芸術推進フォーラム 招待有り
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2022年7月25日 一般社団法人緊急事態舞台芸術ネットワーク 招待有り
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The 11th International Conference on Cultural Policy Research (ICCPR) 2021年3月26日 招待有り
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ICCPR 2014 2014年10月23日
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VIII International Conference on Cultural Policy Research 2014年9月10日 招待有り
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Panel discussion Keynote Speech (Impulsvortrag) „Theaterpolitik- Japan und Deutschland im Vergleich“International Seminar „Kultur im Spiegel der Wissenschaften“ 2012年11月23日 Kulturcampus Domäne Marienburg, Germany 招待有り
主要な所属学協会
3主要な共同研究・競争的資金等の研究課題
15-
日本学術振興会 科学研究費 基盤研究(C) 2023年 - 2026年
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文化庁 令和5年度文化庁と大学・研究機関等との共同研究事業 共同研究 2023年6月 - 2024年3月
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文化庁 令和4年度大学・研究機関等との共同研究事業 2022年6月 - 2023年3月
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早稲田大学 特定課題研究助成費 2022年6月 - 2023年3月
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文化庁 令和3年度大学・研究機関等との共同研究事業 2021年6月 - 2022年3月
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日本学術振興会 科学研究費・基盤研究(C) 2018年4月 - 2022年3月
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日本学術振興会 2018年 - 2018年
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日本学術振興会 科学研究費・若手研究(B) 2014年4月 - 2017年3月
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獨協大学 『地域主権の国 ドイツの文化政策―人格の自由な発展と地方創生のために』 2017年 - 2017年
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獨協大学 2016年度獨協インターナショナル・フォーラム 2016年 - 2016年
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日本学術振興会 科学研究費補助金 特別研究員奨励費(PD) 2010年4月 - 2013年3月
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Japan Society for the Promotion of Science
主要な学術貢献活動
12-
学術調査立案・実施秋野有紀(早稲田大学 事業責任者)・朝倉由希・菅野幸子・作田知樹・長嶋由紀子・閔鎭京 2023年6月20日 - 2024年3月29日
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学術調査立案・実施秋野有紀(事業責任者)・朝倉由希・菅野幸子・作田知樹・長嶋由紀子・閔鎭京・ 2021年6月10日 - 2023年3月31日
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パネル司会・セッションチェア等The 11th International Conference on Cultural Policy Research (ICCPR) (Online academic conference) 2021年3月26日
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企画立案・運営等, パネル司会・セッションチェア等秋野 有紀 (獨協大学 2016年度獨協インターナショナル・フォーラム) 2016年11月18日 - 2016年11月19日
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パネル司会・セッションチェア等VIII International Conference on Cultural Policy Research (Germany) 2014年9月10日
主要なメディア報道
10-
NHK総合 ニューススーン (午後5時台) 新型コロナで収入減少 芸術家などの社会保障考えるセミナー 2024年5月10日 テレビ・ラジオ番組
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The English-Speaking Union of Japan Japan in Their Own Words (JITOW) 2024年2月20日 インターネットメディア
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毎日新聞社 毎日新聞 「発言」 2024年1月4日 新聞・雑誌
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NHK大阪放送局 「あるタカラジェンヌの死 宝塚歌劇団で何が...」 2023年12月8日 テレビ・ラジオ番組
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読売新聞東京本社 読売中高生新聞 講義の鉄人 2020年9月4日 新聞・雑誌
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NHKラジオ第二放送 2016年4月 テレビ・ラジオ番組
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Hildesheimer Allgemeine Zeitung 2014年10月23日 新聞・雑誌
主要なその他
16-
2013年3月 - 2013年3月「アートが変える社会 社会が変えるアート 人口動態の変化は文化政策にいかなる課題をもたらすか」【基調講演】ヴォルフガンク・シュナイダー、【事例報告】ドレーン・ゲツキー「文化発展計画の目的、手法、成果― ドイツの事例に基づいて」通訳/日本文化政策学会第6回年次研究大会/鳥取大学
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2009年3月 - 2009年3月Henschel Alexander: 「国際美術展とエデュケーション―ドクメンタを中心に」通訳/東京大学
主要な社会貢献活動
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