共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

脳卒中患者の麻痺側上肢の鉛直運動ロボットの開発と臨床効果

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K11399
体系的課題番号
JP19K11399
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

これまでの上肢ロボットの多くは、水平面上の操作を主体とし、鉛直方向への操作はほとんど行われていない。そこで本研究は、鉛直方向の上肢練習支援を行うShoulder Movement Assisting RoboT(SMART)を開発し、エビデンスレベルの高いデザインである無作為化比較試験により訓練効果の検討を行う。無作為化比較試験を実行する前に、少数例による実行可能性を検討した。
症例Aは右片麻痺を呈した40歳代の男性で、発症からSMART開始までの期間は約3ヶ月、上肢のFugl-Meyer assessment(FMA)合計点は13点、上腕二頭筋のModified Ashworth Scale(以下、MAS)は2であった。症例Bは右片麻痺を呈した60歳代の男性で、発症からSMART開始までの期間は約2ヶ月、上肢のFMA合計点は22点、上腕二頭筋のMASは0であった。
ロボットによる上肢練習支援の課題を椅子座位における肩関節の屈曲運動とし、1日100回、週5日、2週間の介入を行った。初回の運動範囲は、ロボットアーム装着時の肩関節角度を10回測定し、その平均値+15度を練習の目標値とした。以降は設定した運動範囲の運動を100回連続で完遂するたびに5から10度の範囲で目標となる角度を増加させた。実験デザインはA(介入:開始時-2週)-B(非介入:2週-4週)-A(介入:4週-6週)デザインとした。SMART開始時、2週後、4週後、6週後にFMA、自動運動可動域の評価を行った。
以下、FMAと自動運動可動域の結果(開始-2週-4週-6週)を示す。症例AのFMAは13-17-19-19、自動運動可動域(度)は、23.0-47.9-53.9-68.3であった。症例BのFMAは22-31-31-33、自動運動可動域(度)は、44.3-59.4-62.2-92.7であった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K11399
ID情報
  • 課題番号 : 19K11399
  • 体系的課題番号 : JP19K11399