論文

2009年11月

小学生の打動作の身体知指導に関する運動学的研究-ラケット操作による打動作の運動発生について-

スポーツ運動学研究
  • 灘英世

No.22 p13-23

小学生にテニスの技能習得について、外遊びで経験する網での虫取りの動感応力をヒントに、ガットの張っていないラケットとガットの変りに虫取り網を張ったラケットを使用した指導がテニスのストロークの動感形態の発生に有効であるかを試みた。その結果、数回の練習でバックスイングからフォロースルーまでのスムーズで大きなストロークが発生した。そのストロークは、素振りで身に付ける形式的なストロークではなく、ボールのバウンドに合わせたストロークであり、それによって予感化能力を働かせなければならず、定位感能力や遠近感能力も同時に発生させることができる。それがガットの張ってあるラケットを用いてのストロークにおいても打点位置と体重移動が見られるストロークとなり、次のステップに進むための動感能力を充実させることができた。動感素材を用いて運動指導を工夫することは、動感身体知を発生させるための有効な指導法であることが明らかになった。

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