論文

査読有り 筆頭著者
2018年12月1日

水酸化カルシウムによる象牙細管封鎖性の研究

日大口腔科学
  • 河野哲朗
  • ,
  • 河野善治
  • ,
  • 小林良喜
  • ,
  • 遠藤弘康
  • ,
  • 内山敏一
  • ,
  • 松根健介
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  • 野田一
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  • 鈴木久仁博
  • ,
  • 寒河江登志朗
  • ,
  • 岡田裕之

44
4
開始ページ
141
終了ページ
147
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本大学口腔科学会

象牙質知覚過敏症は象牙細管が露出することにより発症する疾患であり、象牙質知覚過敏症の発症メカニズムとしては、動水力学説が有力であり、象牙細管を封鎖することにより知覚過敏症状が抑制されることが知られている。これまで、様々な薬剤や方法が開発されてきたが、Grossmanが提唱している象牙質知覚過敏症に対する治療法としての所要条件(無刺激性、無痛性、簡易性、速効性、持続性、無変色性)を満たしている方法は少ない。この条件を満たす材料として、水酸化カルシウムがあり、臨床研究において、優れた知覚抑制効果があることが報告されている。本研究の目的は水酸化カルシウムが象牙細管にどのように作用して知覚抑制するかを検討することである。本研究では、ヒト抜去歯を用いて象牙質知覚過敏症に類似したモデルを作製した。この作製されたモデルに水酸化カルシウムを塗布し、塗布後にブラッシング処置後および超音波処置後、それぞれSEMにて観察した。また、塗布前と塗布後の水酸化カルシウムの組成変化について、微小部X線回折装置を用いて組成変化の検討をおこなった。結果として、すべての処置後、象牙細管は水酸化カルシウムで覆われており、象牙細管口の封鎖が認められた。また、水酸化カルシウムの組成変化については塗布前と塗布後での変化が認められず、水酸化カルシウムの水和物として象牙細管に沈着しているものと推察された。以上のことから、水酸化カルシウムを象牙質知覚過敏症に対して応用することは可能であることが示唆された。また、水酸化カルシウムを用いた臨床研究においても象牙質知覚過敏症の抑制に有効との臨床研究に対して、本研究は、その抑制効果の裏付けとなることが確認された。(著者抄録)

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ID情報
  • ISSN : 0385-0145
  • 医中誌Web ID : 2019162725

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