2012年
心因性性交疼痛障害の一例
女性心身医学
- 巻
- 16
- 号
- 3
- 開始ページ
- 315
- 終了ページ
- 320
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.18977/jspog.16.3_315
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本女性心身医学会
若年女性の性交疼痛障害の一例が報告された.症例はA市で,双子の妹として生まれたが,その母親によって幼い頃から「性交」を嫌い恐れるようにしつけられた.症例は,A県の郡部出身の男性と結婚したが,彼は「イエ」を継ぐのが当たり前として育ってきており,郡部で,実家の母親と妻と一緒に暮らしたいと考えていた.結婚初夜から症例の性交疼痛障害は始まり,約2年間持続した.カップルカウンセリングが行われ,夫,妻双方ともその実家からの精神的な自立ができていないことが明らかになった.特に症例は,夫により,彼の「イエ」に連れ去られるのを恐れていた.症例の性交疼痛障害は,我が国での伝統的なイエ制度とそれを維持しようとする夫に対する異議申し立てであると解釈された.
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- ID情報
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- DOI : 10.18977/jspog.16.3_315
- CiNii Articles ID : 110009425488