共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2023年3月

気候変動政策への中国戦略的パートナーシップの関与:ブラジルとメキシコの比較分析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
19K13632
体系的課題番号
JP19K13632
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

研究初年度の令和2年度は、以下の文献整理と2点の現地調査を通じて、研究の成果を示すことができた。
(1)日本で入手可能な中国‐ラテンアメリカ関係の文献を渉猟した。2000年代以降、中国‐ラテンアメリカ関係の本は、日本語文献・英語・スペイン語・ポルトガル語を含む外国語文献で出版されている。これらの文献のサーベイの中では、特に中国をあくまで経済分野でのパートナーとして見なすラテンアメリカ側の姿勢を確認できた。
(2)コロンビアのロサリオ大学において、気候変動条約締約国会議(COP)や持続可能な開発目標(SDGs)をめぐる交渉過程と、ラテンアメリカ諸国の対応に関する近年の動向を整理した。両分野では、コロンビアやコスタリカを始めとするラテンアメリカ諸国が独自の価値や主張を展開して、多面的な政策の合意形成に貢献した様相を確認できた。
(3)メキシコのメキシコ国立大学メキシコー中国研究センター(UNAM Cechimex)において中国とラテンアメリカ諸国の協力関係に関する近年の動向を整理した。特にこれらの大学では、中国―ラ米関係を専門とする大学教授たちと意見交換を行った。その結果、ラテンアメリカ諸国では、米中関係を中心とした国際環境の変化に連動して、中国との経済および環境分野での関係を強化してきた。特にブラジルの事例はその傾向が顕著である。一方で、今回の調査では、アメリカの影響もあり関係は薄いと思われてきたメキシコも2008年およびロペスオブラドール政権の樹立を契機として政治経済的な親密度が深まっていること、ただし気候変動分野での協力は相対的には弱いことが確認できた。
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以上3点に加えて、本年度は、アマゾン森林火災の問題が注目されたことでアジア経済研究所‐神田外語大学共催のセミナーで講演者を務め、ラテンアメリカの持続可能な開発にむけた取り組みを報告した。この点は、本研究とも直結する研究実績の一つである。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K13632
ID情報
  • 課題番号 : 19K13632
  • 体系的課題番号 : JP19K13632

この研究課題の成果一覧

書籍等出版物

  7

講演・口頭発表等

  9