2012年 - 2013年
岩石透水実験から推察する沈み込み帯での流体循環
文部科学省 科学研究費助成事業(新学術領域研究(研究領域提案型))
- 課題番号
- 24109703
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 7,540,000円
- (直接経費)
- 5,800,000円
- (間接経費)
- 1,740,000円
- 資金種別
- 競争的資金
蛇紋岩はかんらん岩に比べ著しく遅い弾性波速度や高いポアソン比を持つため,沈み込み帯でみられる地震波低速度層や高ポアソン比領域の原因として注目されている。しかしながら,関東下や西南日本のプレート境界で報告されるポアソン比~0.31は,蛇紋岩(アンチゴライト0.28)の存在だけでは説明がつかず,その領域には蛇紋岩に加え流体が共存している可能性が高い。そこで,本研究では間隙流体圧下における弾性波速度の測定システムの開発を行い,蛇紋岩の弾性波速度に対する間隙水圧の効果を定量的に検証することを試みた。
実験結果より,間隙水圧を上昇させると蛇紋岩の弾性波速度は遅くなり,ポアソン比は高くなることが分かったが,その変化幅は非常に小さい。間隙水圧を10MPaから100MPaに変化させた場合,ポアソン比は0.278から0.281に上昇し,その変化幅は0.003である。沈み込み帯でみられる高ポアソン比領域は0.31であることから,蛇紋岩に比べ約0.03のポアソン比の
実験結果より,間隙水圧を上昇させると蛇紋岩の弾性波速度は遅くなり,ポアソン比は高くなることが分かったが,その変化幅は非常に小さい。間隙水圧を10MPaから100MPaに変化させた場合,ポアソン比は0.278から0.281に上昇し,その変化幅は0.003である。沈み込み帯でみられる高ポアソン比領域は0.31であることから,蛇紋岩に比べ約0.03のポアソン比の