2018年4月 - 2021年3月
宿主細胞内におけるレジオネラの多彩な生存戦略の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本申請研究では、以下に示す3点のテーマを柱としている。そこで、当該年度の研究実施計画をテーマごとに記載する。
1:LCVのリソソームへの輸送回避機構の解明:当該年度の解析により、レジオネラによるRab5のユビキチン化の種類がK63チェーンによって媒介されるユビキチン化であることを見出した。また、Rab5は不活性化型(GDP型)と活性化型(GTP型)をサイクルする分子であるが、レジオネラは活性化型のRab5を特異的にユビキチン化していることを見出した。
2:LCVの小胞体への輸送機構の解明:昨年度の解析により同定したRab33bの局在を制御するレジオネラエフェクターの遺伝子破壊株を用いた感染実験を行い、当該レジオネラエフェクターを欠損させたレジオネラを含むLCV上に供給さえるRab33bの割合が野生型のレジオネラと比較して有意に減少することを見出した。また、本欠損株ではLCVの小胞体への到達に著しい遅延を示した。
3:レジオネラの小胞体定着機構の解明:当該年度の解析により、滑面小胞体と粗面小胞体を循環するBap31と結合するレジオネラエフェクターを同定し、本レジオネラエフェクターの遺伝子破壊によりLCVに集積するBap31が減弱することを見出した。また、本遺伝子破壊株を含むLCVは滑面小胞体から粗面小胞体への移行が抑制されていることも明らかにしている。また、レジオネラは小胞体内において効率良く増殖する際に宿主細胞のclimp-63を利用する。ハエにはclimp-63の遺伝子が存在せず、ハエ由来の細胞にヒト由来のclimp-63を発現させることで、レジオネラ増殖におけるclimp-63の重要性を示すことができると考えた。当該年度は、ハエ由来の細胞であるS2細胞の培養系の確立とヒトclimp-63を発現できるハエ発現ベクターの構築まで完了した。
1:LCVのリソソームへの輸送回避機構の解明:当該年度の解析により、レジオネラによるRab5のユビキチン化の種類がK63チェーンによって媒介されるユビキチン化であることを見出した。また、Rab5は不活性化型(GDP型)と活性化型(GTP型)をサイクルする分子であるが、レジオネラは活性化型のRab5を特異的にユビキチン化していることを見出した。
2:LCVの小胞体への輸送機構の解明:昨年度の解析により同定したRab33bの局在を制御するレジオネラエフェクターの遺伝子破壊株を用いた感染実験を行い、当該レジオネラエフェクターを欠損させたレジオネラを含むLCV上に供給さえるRab33bの割合が野生型のレジオネラと比較して有意に減少することを見出した。また、本欠損株ではLCVの小胞体への到達に著しい遅延を示した。
3:レジオネラの小胞体定着機構の解明:当該年度の解析により、滑面小胞体と粗面小胞体を循環するBap31と結合するレジオネラエフェクターを同定し、本レジオネラエフェクターの遺伝子破壊によりLCVに集積するBap31が減弱することを見出した。また、本遺伝子破壊株を含むLCVは滑面小胞体から粗面小胞体への移行が抑制されていることも明らかにしている。また、レジオネラは小胞体内において効率良く増殖する際に宿主細胞のclimp-63を利用する。ハエにはclimp-63の遺伝子が存在せず、ハエ由来の細胞にヒト由来のclimp-63を発現させることで、レジオネラ増殖におけるclimp-63の重要性を示すことができると考えた。当該年度は、ハエ由来の細胞であるS2細胞の培養系の確立とヒトclimp-63を発現できるハエ発現ベクターの構築まで完了した。
- ID情報
-
- 課題番号 : 18H02656
- 体系的課題番号 : JP18H02656