2018年6月 - 2022年3月
グラフェンディラックフェルミオンのプラズモン異常不安定性とそのテラヘルツ機能応用
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓) 挑戦的研究(開拓)
1. 非対称二重回折格子ゲート型グラフェントランジスタを研究代表者らが独自に開発してきたエピタキシャルグラフェン製膜
,グラフェン・窒化ホウ素剥離転写,グラフェンチャネルゲートスタック等のプロセス技術を駆使し,素子の設計・試作を行った.[担当:尾辻泰一,渡辺隆之(研究分担者),吹留博一(研究協力者)]
2. デバイスモデリングは,グラフェン電子正孔のクーロン相互作用に伴う多体効果をキャリア自己エネルギーとして記述し,GWA法およびランダム位相近似により線形バンド分散の崩れ(ブロードニングと非線形性)を伴うグラフェンプラズモンを定式化し,ポアッソン方程式と連立して自己無撞着に数値解析した.その結果,利得獲得のキラーとなるAuger過程はキャリア温度と強相関があり,キャリア温度を室温付近以下に保つことで大幅に抑止できることを見出した.[担当:尾辻泰一,佐藤昭(研究分担者)]
3. テラヘルツ帯の増幅現象を,研究代表者所有のテラヘルツ時間分解分光計測装置を用いて観測することに成功した.測定結果よりディラック点近傍までキャリアを枯渇化した場合のドリフト速度とプラズマ速度の同定を試みた結果,DC測定から同定される値から約一桁の乖離があることを見出した.直流測定で同定されるキャリア運動量緩和時間は光学測定から同定された値に比して一桁大きく,キャリア運動量緩和時間の周波数分散(本実験ではレッドシフト)が極めて大きいことを見出した.今後はその原因究明と,この分散効果がプラズモン不安定性に与える影響を理論実験両面から検証してゆく.[担当:尾辻泰一,渡辺隆之(研究分担者)]
4. 計画後半実施の第二の目的の計画遂行のための,調査研究・準備を進めた[担当:尾辻泰一,岩月勝美(研究分担者)]
,グラフェン・窒化ホウ素剥離転写,グラフェンチャネルゲートスタック等のプロセス技術を駆使し,素子の設計・試作を行った.[担当:尾辻泰一,渡辺隆之(研究分担者),吹留博一(研究協力者)]
2. デバイスモデリングは,グラフェン電子正孔のクーロン相互作用に伴う多体効果をキャリア自己エネルギーとして記述し,GWA法およびランダム位相近似により線形バンド分散の崩れ(ブロードニングと非線形性)を伴うグラフェンプラズモンを定式化し,ポアッソン方程式と連立して自己無撞着に数値解析した.その結果,利得獲得のキラーとなるAuger過程はキャリア温度と強相関があり,キャリア温度を室温付近以下に保つことで大幅に抑止できることを見出した.[担当:尾辻泰一,佐藤昭(研究分担者)]
3. テラヘルツ帯の増幅現象を,研究代表者所有のテラヘルツ時間分解分光計測装置を用いて観測することに成功した.測定結果よりディラック点近傍までキャリアを枯渇化した場合のドリフト速度とプラズマ速度の同定を試みた結果,DC測定から同定される値から約一桁の乖離があることを見出した.直流測定で同定されるキャリア運動量緩和時間は光学測定から同定された値に比して一桁大きく,キャリア運動量緩和時間の周波数分散(本実験ではレッドシフト)が極めて大きいことを見出した.今後はその原因究明と,この分散効果がプラズモン不安定性に与える影響を理論実験両面から検証してゆく.[担当:尾辻泰一,渡辺隆之(研究分担者)]
4. 計画後半実施の第二の目的の計画遂行のための,調査研究・準備を進めた[担当:尾辻泰一,岩月勝美(研究分担者)]
- ID情報
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- 課題番号 : 18H05331
この研究課題の成果一覧
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受賞
1論文
7-
Nanophotonics 11(9) 1677-1696 2022年5月11日 招待有り筆頭著者責任著者
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Applied Physics Letters 120(11) 111102-1-6 2022年3月14日 査読有り
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Applied Physics Letters 119(9) 093501-1-5 2021年8月30日 査読有り最終著者
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Physical Review B 103(24) 245400-1-6 2021年6月11日 査読有り
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2020 45th International Conference on Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves (IRMMW-THz) 1(1) 1-2 2020年11月8日 査読有り招待有り筆頭著者責任著者
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Physical Review X 10(3) 031004-1-19 2020年7月6日 査読有り最終著者責任著者
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Appl. Phys. Lett. 116 140501-1-6 2020年4月 査読有り招待有り
MISC
1-
日本赤外線学会学会誌 vol. 31, no. 2, pp. 68-75, Feb. 2022. (invited) 31(2) 68-75 2022年2月 査読有り招待有り筆頭著者責任著者
書籍等出版物
1-
Jenny Stanford Publishing 2020年8月 (ISBN: 9789814800754)
講演・口頭発表等
4-
XXVI International Symposium on Nanophysics and Nanoelectronics 2022年3月17日 招待有り
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2021年日本真空表面学会学術講演会, 公募シンポジウム「表面真空科学の新分野萌芽の土壌としての Beyond 5G」, 3Aa09, Online, Nov. 3-5, 2021. (invited) 2021年11月5日 招待有り
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オプトロニクスWEBセミナー「Beyond 5Gとテラヘルツ通信:実用化と将来展望」, Web Online, April 28, 2021. (invited) 2021年4月28日 招待有り
-
サイエンス&テクノロジー セミナー, Web Online, April 21, 2021. 2021年4月21日 招待有り