共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2022年3月

グラフェンディラックフェルミオンのプラズモン異常不安定性とそのテラヘルツ機能応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)  挑戦的研究(開拓)

課題番号
18H05331
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
25,740,000円
(直接経費)
19,800,000円
(間接経費)
5,940,000円

1. 非対称二重回折格子ゲート型グラフェントランジスタを研究代表者らが独自に開発してきたエピタキシャルグラフェン製膜
,グラフェン・窒化ホウ素剥離転写,グラフェンチャネルゲートスタック等のプロセス技術を駆使し,素子の設計・試作を行った.[担当:尾辻泰一,渡辺隆之(研究分担者),吹留博一(研究協力者)]
2. デバイスモデリングは,グラフェン電子正孔のクーロン相互作用に伴う多体効果をキャリア自己エネルギーとして記述し,GWA法およびランダム位相近似により線形バンド分散の崩れ(ブロードニングと非線形性)を伴うグラフェンプラズモンを定式化し,ポアッソン方程式と連立して自己無撞着に数値解析した.その結果,利得獲得のキラーとなるAuger過程はキャリア温度と強相関があり,キャリア温度を室温付近以下に保つことで大幅に抑止できることを見出した.[担当:尾辻泰一,佐藤昭(研究分担者)]
3. テラヘルツ帯の増幅現象を,研究代表者所有のテラヘルツ時間分解分光計測装置を用いて観測することに成功した.測定結果よりディラック点近傍までキャリアを枯渇化した場合のドリフト速度とプラズマ速度の同定を試みた結果,DC測定から同定される値から約一桁の乖離があることを見出した.直流測定で同定されるキャリア運動量緩和時間は光学測定から同定された値に比して一桁大きく,キャリア運動量緩和時間の周波数分散(本実験ではレッドシフト)が極めて大きいことを見出した.今後はその原因究明と,この分散効果がプラズモン不安定性に与える影響を理論実験両面から検証してゆく.[担当:尾辻泰一,渡辺隆之(研究分担者)]
4. 計画後半実施の第二の目的の計画遂行のための,調査研究・準備を進めた[担当:尾辻泰一,岩月勝美(研究分担者)]

ID情報
  • 課題番号 : 18H05331

この研究課題の成果一覧

論文

  7

MISC

  1

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  4