2012年3月
書評論文 Nicholas Guyatt, Providence and the Invention of the United States, 1607-1876 Cambridge: Cambridge University Press, 2007. ix+341pp
フォーラム
- 巻
- 号
- 17
- 開始ページ
- 69-75
- 終了ページ
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
プロヴィデンス言説が形成してきたアメリカ思潮と社会のありようを1.イギリスとの連続性2.説教や講演などの民間レベルでの受容という点から論じたこの研究書は、ホーソーンの時代のプロヴィデンス言説について知ることができる絶好の資料である。ホーソーン作品にプロヴィデンスが多用される背景には、物語のコンベンションとしてアメリカの神話を形成してきたこの言説が有用であるという状況があった。こうした当時のプロヴィデンスの受容について知ることはホーソーン作品の理解に不可欠であり書評論文としてこの研究書を紹介した。