2020年4月 - 2024年3月
成年者の法的保護制度における意思決定支援システムの検討
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究は、カナダにおける障害者権利条約への対応、成年後見制度および意思決定支援制度の解明を目的とするものである。2021年度は、カナダの州の中で先進的な意思決定制度を有するとされるサスカチュワン州に焦点を当てた。サスカチュワン州は、成年後見法の中に、共同決定者を任命するという意思決定制度を規定している。同制度を検討する前提として、まずカナダの成年後見制度に関する歴史およびカナダの各州が有する成年後見に関連する制度の概観を検討した。その後、サスカチュワン州における意思決定支援を現行の成年後見法と判例を中心に検討した。ここから、カナダでは、障害者権利条約の批准前である1990年代終わり頃から意思決定支援が重視され、その後すべての州ではないが、意思決定制度を法制度として設ける州が出現し、成年後見制度の利用が最終手段として認識されていることが明らかになった。これを論文としてまとめ、「カナダにおける成年後見制度と意思決定支援の発展ーサスカチュワン州法を中心にー」として桐蔭法学28巻1号(2021年9月)に公表した。
また、オーストリアの一般民法典の改正(2018年施行)に関する発表を、「欠格条項研究会」にて行った(2022年2月)。当該発表は、障害者権利条約の批准を受けた法改正を内容としており、拙稿「「代理から援助へ―オーストリアの法改正からの一考察―(1)」「同(2・完)」(桐蔭法学26巻1号および2号)に基づいている。同発表においては、本人の意思を反映させた成年者保護制度において、監督機能をいかに充実させていくかという今後の課題を見出すことができた。
また、オーストリアの一般民法典の改正(2018年施行)に関する発表を、「欠格条項研究会」にて行った(2022年2月)。当該発表は、障害者権利条約の批准を受けた法改正を内容としており、拙稿「「代理から援助へ―オーストリアの法改正からの一考察―(1)」「同(2・完)」(桐蔭法学26巻1号および2号)に基づいている。同発表においては、本人の意思を反映させた成年者保護制度において、監督機能をいかに充実させていくかという今後の課題を見出すことができた。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K01406
- 体系的課題番号 : JP20K01406