2020年4月 - 2023年3月
脱人間化社会における責任概念の再考:哲学・思想史・応用倫理の架橋的アプローチ
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
当初の研究計画では、1)社会思想史的アプローチとして、F・エヴァルドをもとに近代的社会制度の展開における「責任」概念の変容を検討すること、2)政治哲学的アプローチとして、全体主義体制および原爆投下をめぐるH ・アーレントとG・アンダースの思想を検討すること、3)現象学的アプローチとして、E・レヴィナスの現象学的哲学における「責任=応答可能性」 概念を実践的な文脈へと接続しうるかたちで検討しなおすこと、4)応用倫理的アプローチにより、AI開発における人間の行為の代替化に伴う「責任 」の変容を検討することが挙げられていた。
今年度は、1)についてはエヴァルドの主著で「責任」概念を扱う『福祉国家』の翻訳を進めた。2)については、全体主義体制における収容所体制をめぐるアーレントの思想についての所属学科の紀要に論文を執筆した。3)については、共著書にてレヴィナスの「責任」概念の実践的な側面をめぐる考察を行った。また、昨年度に学会シンポジウムで発表したドローンをはじめとする遠隔技術使用に関する問題をめぐって、グレゴワール・シャマユーとエマニュエル・レヴィナスの思想を取り上げた報告を行ったが、シンポジウムで得られた知見を含めてこれを加筆修正し論文として公刊した。また、次年度に公刊予定の共著に、「責任」概念をはじめとするレヴィナスの思想が、社会福祉制度についての哲学的考察にどのように寄与するかをめぐる考察を発表した。
今年度は、1)についてはエヴァルドの主著で「責任」概念を扱う『福祉国家』の翻訳を進めた。2)については、全体主義体制における収容所体制をめぐるアーレントの思想についての所属学科の紀要に論文を執筆した。3)については、共著書にてレヴィナスの「責任」概念の実践的な側面をめぐる考察を行った。また、昨年度に学会シンポジウムで発表したドローンをはじめとする遠隔技術使用に関する問題をめぐって、グレゴワール・シャマユーとエマニュエル・レヴィナスの思想を取り上げた報告を行ったが、シンポジウムで得られた知見を含めてこれを加筆修正し論文として公刊した。また、次年度に公刊予定の共著に、「責任」概念をはじめとするレヴィナスの思想が、社会福祉制度についての哲学的考察にどのように寄与するかをめぐる考察を発表した。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K00014
- 体系的課題番号 : JP20K00014
この研究課題の成果一覧
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論文
1-
『フランス哲学・思想研究』 (26) 99-111 2021年9月 招待有り
MISC
2-
『境界を超えて:比較文明学の現在』(立教比較文明学会) (24) 60-63 2024年2月 筆頭著者
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『境界を超えて 比較文明学の現在』 (23) 59-77 2023年2月
書籍等出版物
3-
明石書店 2023年12月30日 (ISBN: 4750356840)
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Hermann 2023年10月11日 (ISBN: 9791037022882)
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勁草書房 2021年1月22日 (ISBN: 4326102896)
講演・口頭発表等
5-
立正大学哲学会2023年度大会 2023年11月11日 招待有り
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レヴィナス協会 第6回大会 2023年9月16日 招待有り
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Colloque : Ce que le numérique fait au soin : de l’IA à l’intelligence clinique 2023年6月1日 Laboratoire Interdisciplinaire de Recherche « Sociétés, Sensibilités, Soin » (LIR3S) 招待有り
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国際シンポジウム「ジャン=リュック・ナンシーの哲学──共同性、意味、世界」 2022年9月18日 日仏哲学会 招待有り
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Colloque de Cerisy: Levinas et Merleau-Ponty, le corps et le monde 2022年7月10日 Le Centre culturel international de Cerisy