基本情報

所属
愛媛大学 沿岸環境科学研究センター 化学汚染・毒性解析部門 准教授
(兼任)大学院理工学研究科 環境機能科学専攻 准教授
(兼任)大学院理工学研究科  先端科学特別コース 准教授

ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-8012-3806
J-GLOBAL ID
201101021385616523
researchmap会員ID
6000029516

外部リンク

愛媛大学沿岸環境科学研究センター化学汚染・毒性解析部門 准教授

One Health の理念の下、ヒトや野生動物、環境を汚染する様々な環境汚染物質の分析法開発とその曝露リスク評価法の開発に取り組んでいます。特に近年では有機フッ素系化合物(PFAS)や医薬品類及び生活関連化学物質(PPCPs)等、比較的極性の高い化学物質を対象に体内動態の実態と影響について多層オミクス解析を用いた研究を進めています。


また、百聞は一見に如かずをモットーに、ライフワークとして世界各地を訪れ環境に関わる野生動物や自然の写真を撮影しており、それらを用いた環境教育・自然保護普及活動にも取り組んでいます。

現在の研究テーマ
1.野生生物に残留するPOPs類 種特異的な蓄積パターンの解明とリスク評価
2.  PPCPsによる水圏生態系の汚染実態解明とリスク評価
3.哺乳類に残留するイオン性化合物の脳移行と甲状腺ホルモンへの影響評価
4.ペット動物の化学汚染:PFASおよび代謝物の曝露実態解明とリスク評価
5.メタボロミクスによる環境汚染物質曝露によるの生体影響評価
6.海棲・陸棲哺乳類に対する有機汚染物質の残留機構と薬物代謝能の種差解明
7.極性環境汚染物質の新規分析法の開発

 

イオン性環境汚染物質による脳移行の実態とリスク評価法の開発

イオン性の環境汚染物質は、これまで生物への残留・蓄積性は低いと考えられてきました。しかし、分析技術の発展により多様な生物から検出され、環境曝露レベルで神経毒性や行動異常を誘発することから、脳への移行性・リスク評価に学術的・社会的関心が集まっています。

イオン性の環境汚染物質曝露による影響評価を目的として、本研究室では脳や血清等の標的試料を対象に、質量分析法を用いた内因性ホルモンや神経伝達物質の分析、メタボロミクス法等を用いたエンドポイントの開発に取り組んでいます。

また、ADME解析やオミクス解析と統合することで、神経毒性発現機序に至る“共通性”と“種差”についての解明を目指しています。

 

 

ネコの疾病に関わる環境汚染物質の包括的探索と評価法の確立

ネコ(Felis silvestris catus)はペットとしてヒトと生活環境を共にする機会が増えたことで、ヒト環境に遍在する化学物質の曝露量増加が指摘されています。同時に悪性腫瘍・2型糖尿病・甲状腺機能亢進症等の疾病の数も増大しており、曝露との関連が疑われています。しかし、投与実験・試料入手の困難さ故に、本質的な証拠は未だ得られていません。とくに、ネコは特異な代謝・排泄能を有するため、従来の動物試験による情報だけでは疾病の発症を誘導する化学物質を知り得ない可能性が高いです。そこで私達は、獣医学部・動物病院との協同で疾病を発症したペットネコから採取した臓器・組織を対象に、残留する有機化学物質を包括的に分析することで、疾病との関連が疑われる環境汚染物質の選定を進めています。さらに、浮上した化学物質を対象に、ネコの細胞内受容体の活性化能の解明を目指すとともに、環境汚染物質の曝露による疾病発症の誘導能の検証し、疾病発症に至る作用機序の全容解明を目指しています。

 

PFASによる生物汚染の実態解明

ペルフルオロおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は1つ以上のパーフルオロアルキル部分 (CnH2n+1) を持つ人工的に合成された有機フッ素化合物群の総称であり、その数は現在1万2千種を超えると言われています。PFASは難分解性で環境残留性を有し、in vivo試験では内分泌かく乱作用、血中コレステロールの増加、甲状腺機能への影響など様々な毒性を有することから、生態系における汚染実態の解明は急務ですが、環境生物への曝露が定量的に実施されているのは百種類程度に留まっています。近年は網羅的なPFASの分析手法の開発も進められているが、未だ環境生物への適用例は少なく、各環境生物種におけるPFASの曝露の実態とその毒性影響については依然として不明な点が多いです。 

そこで、私達の研究グループでは、1) どの生物がPFASに汚染されているのか? 2) ヒト生活環境のPFAS汚染の実態は? 3) どのPFASの毒性が強いのか? 4) 毒性の強さを規定するケモインフォマティクス因子(分子記述子などの化学的要因)は何か? 5) PFASに対する生物種特異的感受性差はどの程度か? 6) 感受性を規定するバイオインフォマティクス因子(遺伝的要因)は何か? 7) どの生物種に対してどのPFASのリスクが高いのか?の問いに応えるため、鯨類・鰭脚類・鳥類・愛玩動物等のヒトに身近な環境から広域生態系までの指標となる生物(環境生物)を対象に、先端分析技術を用いて新規PFASの汚染実態を明らかにすると共に、曝露によりもたらされる有害性について、新たな評価系NAMs(New Approach Methodologies)により明らかにすることを目的に研究を進めています。

 


研究室 HP: http://kanka.cmes.ehime-u.ac.jp/
研究室 FB: https://www.facebook.com/kankaatcmes/
共同利用・共同研究拠点 LaMer: http://lamer-cmes.jp/
CMES: http://www.cmes.ehime-u.ac.jp/
es-BANK: http://esbank-ehime.com

 

写真のHP:  https://keinomiayma.smugmug.com/
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論文

  93

MISC

  63

書籍等出版物

  15

主要な講演・口頭発表等

  190

Works(作品等)

  4

共同研究・競争的資金等の研究課題

  26

学術貢献活動

  12

社会貢献活動

  17

メディア報道

  24