共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

敗血症における内皮微小粒子の動態とその病態生理学的作用の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K08907
体系的課題番号
JP18K08907
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円

ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)にLPSやTNF-αに炎症性刺激を加えると、HUVECs細胞膜表面のPECAM、VE-cadherinなど内皮細胞間結合に関与する因子の発現は抑制され、一方でPECAM+EMPs、VE-cadherin+EMPsの培養液中への放出が促された。一方でE-selectin、ICAM、VCAMといった接着分子は濃度依存性に炎症性刺激によりHUVECs細胞膜の発現が増加し、比例するように接着分子を発現しているEMPsの放出が増加した。
敗血症患者のEMPsの動態を把握するために臨床研究を行った。敗血症患者50名(敗血症 17名、敗血症性ショック33名)、ICUに入室した非敗血症患者10名の血漿中のEMPsを継時的に測定した。各種EMPs数は敗血症患者においては非敗血症患者より有意に増加していた。PECAM+EMPs数およびVE-cadherin+EMPs数はday1, 2, 3, 5日の時点で敗血症患者より敗血症性ショック患者で有意に高く、敗血症の重症度を反映する可能性が示唆された。一方で接着分子を発現するEMPsに関しては、day1でのE-selectin+EMPs(p=0.0046)以外は敗血症と敗血症性ショック患者間で有意な差はなかった。
予後に関してはday1, 2のPECAM+EMPs数(p=0.037, 0.048)およびday1のVE-cadherin+EMPs数(p=0.010)のみ死亡群で有意に高かった。接着分子を発現するEMPs数と患者予後に関する関連は見られなかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K08907
ID情報
  • 課題番号 : 18K08907
  • 体系的課題番号 : JP18K08907