共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

分子の動きを駆使した凝集系における発光色制御法の確立

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H02813
体系的課題番号
JP20H02813
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
18,200,000円
(直接経費)
14,000,000円
(間接経費)
4,200,000円

本基盤研究では、"分子同士の相互作用を避けて通れない分子凝集系において、孤立分子としての発光特性をバルクレベルにおいても顕在化させることは可能か? "という問い学術的「問い」に対する解の一つを見出すべく、i) 固体状態において分子間相互作用の影響が小さく、かつii) 外部 刺激によって「分子の動き」に 変化をもたらし、分子の基底および励起状態そのものに摂動を与えられる分子設計戦略に基づき多色発光性メカノクロミズを示す分子を創製することを目的とし ている。2021年度は、これまでに研究代表者が独自に見いだしている発光性メカノクロミズム分子の一般性を検証すべく、電子欠損型ジベンゾフェナジン骨格に立体配座の柔軟なジアリール アミン類を電子ドナーとして結合させたドナー・アクセプター・ドナー(D-A-D)分子を合成し、その基礎物性を系統的に調査した。電子ドナーとしてセレンを架橋元素とする電子ドナーを有するD-A-D分子は、期待通り、「擦る・加熱する・溶媒蒸気に晒す」など様々な外部刺激に応じてその発光色が顕著に変化することを見出し、本基盤研究における分子設計の有効性を確かめる ことができた。その一方で、テルル元素を架橋元素とする分子は、固体状態では発光を示さないことがわかった。興味深いことに、セレン含有D-A-D分子は、単一の溶液から3種類の異なる結晶多形を示し、これらはUVランプ照射下、異なる発光色を示すことを明らかにした。また、X線構造解析の結果、これら結晶多形中での分子の立体配座は、2つの結晶多形においては同じ配座ながら異なる積層様式をとっていることが明らかとなった。また、新たなD-A型D分子の合成ルートの開発にも成功し、本基盤研究の今後の推進に有益な知見を得ることができた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H02813
ID情報
  • 課題番号 : 20H02813
  • 体系的課題番号 : JP20H02813

この研究課題の成果一覧

論文

  8

MISC

  1

講演・口頭発表等

  11

メディア報道

  1