共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

グローバル化した経済における税務執行:租税競争論と最適課税論による理論・実証分析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H00866
体系的課題番号
JP18H00866
配分額
(総額)
15,470,000円
(直接経費)
11,900,000円
(間接経費)
3,570,000円

福祉国家における財源配分と最適税率に関する論文を進展させた。実証的に尤もらしい、個人の所得・期待寿命および要介護状態になる確率の相関のもとで、公的年金と公的介護保険の予算配分は、後者に全額を投入するか、後者に二期間めの配分で考えた完全保険以上のレベルを供給するのが社会厚生を最大にすることが示された。
多国籍企業の海外子会社の財務データを用いて、日米の多国籍企業の利益移転行動を実証分析し、平均的な日本企業の海外子会社は、米国企業の海外子会社と比較して、利益移転の程度が低いという結果を得た。この論文は学会にて報告され、またディスカッションペーパーとして公表された。
異なる2地域ないし国家間で労働者が移動可能な状況下で、所得再分配政策決定の手番を内生化した研究を行った。この研究では逐次手番に従って税率が決定される帰結が均衡となることが示され、また、低所得者が少ない地域が先導する逐次手番は、低所得者の多い地域が先導する逐次手番に比べて、リスク支配均衡、およびパレート支配の観点からみて望ましいことが示された。
プリンシパルである財政当局が、エージェントである支出官庁に支出を委任するために、1期に当初予算、2期に補正予算を配分するプリンシパル・エージェントモデルを構築し、均衡での努力水準と財政当局の補正予算・当初予算の選択を分析した。
財政ルールが経済成長と厚生に与える影響については、2018年度に行った分析とは異なる代替的なタイミングの下での分析を行うための経済モデルを構築するため、2019年度はまず関連する文献のサーベイを行い、どのようなモデリングが適切か検討した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H00866
ID情報
  • 課題番号 : 18H00866
  • 体系的課題番号 : JP18H00866