共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2024年3月

東アジアにおける家禽飼育の起源と拡散の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
20H01367
体系的課題番号
JP20H01367
配分額
(総額)
16,640,000円
(直接経費)
12,800,000円
(間接経費)
3,840,000円

ニワトリはセキショクヤケイを、ガチョウはガン族の鳥を家畜化した家禽である。動物考古学上、ニワトリの起源は未解明ながら、弥生時代中期にあたる約2,000年前に原産地の東南アジアから遠く離れた日本にまで拡散したことが分かっている。しかし、その導入元と目される朝鮮半島や中国にニワトリがどのように拡散してきたかはよく分かっていない。一方、私たちの研究によって中国の長江下流域では約7000年前からガン類が飼育されていたことが明かになりつつある。本研究の目的は、中国と韓国の遺跡から出土した骨の複眼的解析から、ニワトリとガチョウの飼育の起源と拡散の様相を解明することを通じて、各時代・地域において「ヒトはなぜ家禽を必要としたのか?」を考察することである。今年度の研究の概要は以下の通りである。
1.中国と韓国における動物骨の出土遺跡のデータベース化を進めた。これまでに中国では81遺跡中31遺跡、韓国では53遺跡中19遺跡からキジ科の出土を確認した。また、カモ科については中国では11遺跡、韓国では12遺跡から出土を確認した。
2.遺跡出土資料との比較のために、実験施設や動物園などに働きかけて鳥類の遺体を入手し、骨格標本を作成した。また、山階鳥類研究所や東京大学総合研究博物館、奈良国立文化財研究所、国立科学博物館など国内の鳥類骨標本を収蔵している研究施設を訪れ、骨格標本の観察・計測をおこなった。
3.中国や韓国の遺跡から出土する資料との比較のために、長崎県長崎市の和蘭商館跡、長崎県壱岐市のカラカミ遺跡、大阪府大阪市の久留米藩蔵屋敷跡、奈良県田原本町の唐古・鍵遺跡、千葉県我孫子市の下ヶ戸貝塚などの遺跡から出土した鳥類遺体を分析した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H01367
ID情報
  • 課題番号 : 20H01367
  • 体系的課題番号 : JP20H01367