1996年6月
帯状雲発達時の寒気の構造とメソβスケールの渦状擾乱の構造 : 2点同時ラジオゾンデ観測
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II
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- 巻
- 74
- 号
- 3
- 開始ページ
- 281
- 終了ページ
- 297
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- DOI
- 10.2151/jmsj1965.74.3_281
- 出版者・発行元
- 公益社団法人 日本気象学会
北海道西海岸帯状雲の発達時に, オホーツク海から宗谷海峡を通り日本海ヘ流出する冷気塊の熱的・力学的構造を調べる為に, 礼文島の船泊と北海道の宗谷岬の2点でゾンデによる同時観測を行った. ゾンデは両地点とも約2時間間隔で放球した. 帯状雲は, 観測期間中の1990年2月26日から27日にかけて発生し, その発達過程と, この帯状雲が発生する直前に礼文島に上陸したメソβスケールの渦状擾乱の熱的・力学的構造を観測することができた. その結果, 宗谷岬上空の大気は, 高度1km以下では礼文島上空よりも安定であり, また礼文島上空を通過する冷気塊と帯状雲の発達及び動きとが密接に関連していることが確かめられた. 風の場から定義したメソβスケールの渦状擾乱の高さは約4kmで, 一方湿度70%以上の領域で定義した渦状擾乱の雲頂高度は2.5kmであった. この「雲域」の少なくとも前方には遷移層が存在し, その熱的・力学的性質は渦状擾乱の「雲域」, 及び渦状擾乱の外側の大気とも異なっていた. この下層のメソβスケールの渦状擾乱の「雲域」の真上でかつ圏界面の直下には, メソβスケールの強風域(毎秒50m以上)を伴う高温度域が存在した. この上層のメソスケールの擾乱は, 下層の渦状擾乱と共に移動し, かつその発達過程と密接に結び付いた構造を持っていた.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.2151/jmsj1965.74.3_281
- ISSN : 0026-1165
- eISSN : 2186-9057
- CiNii Articles ID : 110001807406
- identifiers.cinii_nr_id : 1000070186708
- Web of Science ID : WOS:A1996UW83900001