2000年
実務経験を持つ編入学生の看護学士課程における学習経験に関する研究(共著)
看護教育学研究
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- 巻
- 9
- 号
- 1
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 14
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.19015/jasne.9.1_1
- 出版者・発行元
- 日本看護教育学学会
本研究の目的は、実務経験を持つ編入学生の看護学士課程における学習経験の説明概念を創出し、その総体を明らかにすることである。研究方法には、看護概念創出法を用いた。データ収集は、短期大学卒業後、実務経験を経て編入学により看護学士課程を卒業した看護職者を対象とし、半構造化面接により行った。その結果、実務経験を持つ編入学生の学習経験の総体を示す6つの概念を創出した。その概念とは、【履修計画に沿った学習活動による学習の深化】【問題への遭遇と克服の試みによる成功と失敗】【学習への自己評価による問題解決方法の発見と編入学の価値づけ】【異なる世界観との出会いによる視野の拡大】【進路決定への挑戦と迷い】【職業生活から学生生活への移行に伴う獲得と喪失】である。すなわち、実務経験を持つ編入学生の看護学士課程における学習経験は、これらの概念により説明可能であることを示す。これらの概念は、看護学士課程における編入学生の学習経験が、学習への動機づけを高めたり学習活動を自己評価するという成人学習者としての特徴を持つことを示唆した。同時に、看護学士課程における編入学教育が編入学生にとって単に学習を探化するのみではなく、相互行為の範囲と内容を拡大し、そこに生じる事実や出来事を受け入れる力を増大する機能を持つ可能性があることを示した。
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- DOI : 10.19015/jasne.9.1_1
- CiNii Articles ID : 110004854417