共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

マウス顎顔面発生におけるリンパ管内皮細胞の移住とガイダンスの分子制御機構

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
17K11631
体系的課題番号
JP17K11631
配分額
(総額)
4,810,000円
(直接経費)
3,700,000円
(間接経費)
1,110,000円

本研究では、主静脈を起点として遠隔の下顎突起までのリンパ管内皮細胞の移住とその誘導に関わるガイダンス機構の解明を目的として、移住経路近傍の諸細胞およびゴールとなる下顎突起内の細胞等から発せられるガイダンス因子とその分子制御の仕組みを明らかにする。これらの制御因子を発現する細胞を特定するとともに、リンパ管内皮細胞との位置関係と組織内局在の解析によりリンパ管内皮細胞を中心とした細胞間の連携ネットワークを究明する。
2019年度においては、DNAマイクロアレイとリアルタイムPCRによる定量解析では、リンパ管内皮分化の初期段階で寄与しProx1の発現誘導するSox18はE12.5で発現上昇した。静脈内皮マーカでありProx1と協働してリンパ管分化に寄与するCoupTF2では、静脈分化にともなってE13.5でピークを示し、リンパ管内皮細胞分化の中心的な役割を持つ制御因子であるProx1はE14.5でピークを示した。リンパ管内皮細胞の表現型として発現する遺伝子として、VegfcはE14.5で発現上昇を示し、その受容体であるVegfr3とNrp2はE14.5ころまでは構成的な発現を示したが、その後低下した。AhRとその下流にあるPodoplaninはE14.5で発現ピークを示し、CCL21とLyve1はE12.5からE14.5にかけて上昇し、その後、構成的な発現を示した。Vegfr3の構成的な発現は発生初期の静脈内皮細胞もVegfr3を発現することに起因していると考えられた。移住途上にあるリンパ管内皮細胞と体幹部や下顎突起内の細胞との相互作用に働く新規のガイダンス因子としては、Cxcl12・Cxcr4が候補に挙がった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17K11631
ID情報
  • 課題番号 : 17K11631
  • 体系的課題番号 : JP17K11631