共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2023年3月

イモリ型の臓器再生を可能にする体細胞リプログラミング因子の解明と医学への展開

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
18H04061
体系的課題番号
JP18H04061
配分額
(総額)
44,330,000円
(直接経費)
34,100,000円
(間接経費)
10,230,000円

本研究の目的は、「ヒトの体細胞にイモリ型のリプログラミングを惹起する因子の解明に挑む」とともに「イモリの利用を医学の様々な分野に浸透させる」ことにより、イモリ型の臓器再生に向けた現実的な工程表を完成させることである。そのために、以下の3つの項目を同時に進めた。
1.イモリの再生系と対比するマウスの瘢痕治癒系の開発を進めた。1)肢切断から瘢痕治癒までの過程を解析できるマウスの実験系を確立した。形態学的なステージ表の作成を進めている。同時に、骨格筋追跡用の遺伝子改変マウスの評価・生産・飼育を進めている。2)すでに確立したマウス実験系を用いて、網膜剥離から増殖膜形成までの過程を解析した。論文発表の準備を進めている。同時に、RPE細胞追跡用の遺伝子改変マウスの評価・生産・飼育を進めている。3)哺乳類とイモリの双方において骨格筋細胞とRPE細胞の培養系を導入した。脱分化/リプログラミングを誘導する細胞外因子の探索を進めている。
2.イモリの解析用リソースの整備を進めた。1)骨格筋とRPEを追跡する遺伝子改変イモリの量産を継続するととともに、開発した新規遺伝子改変技術を汎用化すべくその原理の解明を進めた。また、骨格筋由来細胞およびRPE由来細胞の単離・収集の条件を探索した。2)アカハライモリのオミックスデータベースの構築を進めた。特に、細胞外因子探索のためのタンパク質データベースを整備した。アカハライモリの全ゲノム(約37Gbase)解析を推進した(足場配列が11Gbaseに達した)。
3.イモリの医学分野への導入をさらに推進した。特に、皮膚と顎、肢(リンパ・血管系、神経系)の再生について、イモリとヒトの比較研究を推進した。一部については論文発表の準備を進めている。啓発活動の一環として公開講演会を開催した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18H04061
ID情報
  • 課題番号 : 18H04061
  • 体系的課題番号 : JP18H04061