2018年4月 - 2023年3月
日本近世思想史の見直しと国際共同研究の試み
文部科学省 科学研究費補助金(日本学術振興会・文部科学省)-基盤研究(B) 基盤研究(B) (一般)
- 配分額
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- (総額)
- 1,500,000円
- 資金種別
- 競争的資金
日本思想史の中でも、近世宗教思想は近年大きな研究の進展があった分野である。従来の「近世は儒教の時代」という認識は大幅に訂正を迫られ、仏教思想が重要な役割を果たしたことが推測されるに至っている。しかし、実証的な調査の蓄積はなお乏しく、特に近世中期以降の神仏習合思想における欠落が目立つ。逆に言えば、その部分を充実させるなら、日本思想史全体に見直しが及ぶ可能性は大きい。さらに、近年「近世化」の議論が現われ、東アジア、さらには西洋を含む世界全体の中で日本近世の特質を検討することが求められている。日本近世思想(の中の神仏習合思想)を明らかにすることは、他の地域の思想展開とも関連して論じられる可能性が高い。本研究は、寺院や所蔵機関の史料調査を通じて、安楽律論争や習合神道の実態を解明することで、日本の事例を対象とする国際的な共同研究や議論への道を探る活動を目指している。