共同研究・競争的資金等の研究課題

2008年4月 - 2011年3月

近代日本における「団体」法理論の受容とその政治思想史的意義

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

資金種別
競争的資金

明治以降の日本の法学者による「団体」論に影響を与えた西洋の法思想・政治思想の多様性とそれぞれの論理的特徴を明確にし、日本における受容の形態を、単に書誌的な確認以上に、論理的脈絡をとらえることである。具体的には、明治期から昭和初期にかけて、ドイツ系では、ギールケ、ブルンチュリ、シュタイン、ラーバント、イェーリングほかの社会学的関心が強い法学者の議論、英米系では、オースティン、メイトランド、メインなどの実証主義者と法史家などによる著作を介したあるいは直接的な影響が、日本の代表的な法学者である穂積陳重、穂積八束、鳩山秀夫、中田薫、美濃部達吉、末弘厳太郎、牧野栄一、上杉慎吉らにどのように作用しているかを検証したい。ただし、上記のような著名な法学者の著作だけでは、時代思潮をつかむのに十分ではないため、当時の独英米の法学ないし社会科学関係雑誌と日本の学術誌や総合雑誌なども広く調査し、立体的な思想潮流を把握したい。