2019年6月 - 2022年3月
豪雨の空間発生確率の推定
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
対象地域は秋田県北部に位置する米代川流域である.1988-2016年のレーダー・アメダス解析雨量を使用した.5kmX5kmを基本メッシュとし,対象地域を含む領域を18X15メッシュに分割し解析を行った.時間間隔を1時間に設定した.1988-2016年のレーダー・アメダス解析雨量を用いた確率降水の空間分布の作成手順を以下に示す.1) レーダー・アメダス解析雨量から年毎の各メッシュにおける年最大時間降水量を抽出する.次に各メッシュにおける29年分の年最大時間降水量をGEV分布,PWM法を用いて頻度解析することにより確率降水量の空間分布を作成する.各メッシュにおける確率降水量と年最大時間降水量を比較することにより,確率降水が29年間における発生回数を計算する.対象地域を矩形に分割し,空間発生確率を求める区画を設定した.空間発生確率は対象地域内に複数できる区画の平均値とする.次に,解析により得られた空間発生確率と理論的に求まる空間発生確率を比較するために,空間発生確率の理論値を求める.再現確率毎の降水における理論的な空間発生確率と実測値から空間発生確率を比較した.
空間発生確率について再現期間に関わらず解析値は理論値より低い値をとることが分かった.理論値と解析値に差異が出る原因は各メッシュ間の降水の独立性に関係する.独立性の指標として降水発生面積毎の理論に対する降水発生頻度を示す重み係数を導入する.再現期間10年,対象面積64メッシュの場合の重み係数と降水発生面積の関係について,降水発生面積が11メッシュ程度までは,降水発生がメッシュ毎に比較的独立であり,理論確率通りに降水が発生している.一方,降水発生面積が12から 18メッシュの場合,重み係数の値は増大する.これは,降水が理論上ほとんど発生するはずのない面積において,発生していることを意味する.
空間発生確率について再現期間に関わらず解析値は理論値より低い値をとることが分かった.理論値と解析値に差異が出る原因は各メッシュ間の降水の独立性に関係する.独立性の指標として降水発生面積毎の理論に対する降水発生頻度を示す重み係数を導入する.再現期間10年,対象面積64メッシュの場合の重み係数と降水発生面積の関係について,降水発生面積が11メッシュ程度までは,降水発生がメッシュ毎に比較的独立であり,理論確率通りに降水が発生している.一方,降水発生面積が12から 18メッシュの場合,重み係数の値は増大する.これは,降水が理論上ほとんど発生するはずのない面積において,発生していることを意味する.
- ID情報
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- 課題番号 : 19K21982
- 体系的課題番号 : JP19K21982
この研究課題の成果一覧
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論文
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Journal of Hydrology: Regional Studies 42 101131-101131 2022年8月 査読有り
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土木学会論文集B1(水工学) 77(2) I_1159-I_1164 2021年11月 査読有り筆頭著者責任著者