2003年
建設廃棄物埋立における硫化水素ガス発生の可能性と管理法に関する考察
廃棄物学会論文誌
- ,
- 巻
- 14
- 号
- 5
- 開始ページ
- 248
- 終了ページ
- 257
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3985/jswme.14.248
- 出版者・発行元
- Japan Society of Material Cycles and Waste Management
大都市圏から多量に発生する建設混合廃棄物や廃石膏ボード類には多量の有機物が含まれているのが実態である。これらの廃棄物が不適正に処分されると, 埋立地で多量の硫化水素ガスが発生してガス中毒による人身事故を引き起こすことがある。そこで, 各種の建設廃棄物選別物を用いて嫌気性培養実験を行い, 硫化水素の発生条件について考察した。まず, 急性毒性が現れるレベルと考えられる硫化水素ガス濃度1, 000ppmを設定し, その危険レベルに相当する廃棄物埋立層中の硫化物発生量を求めた。その結果, 埋立層の液相pHが7.5において, 廃棄物から発生する硫化水素量は約0.13mmol-S/kg-廃棄物 (本実験系における液相濃度で0.Ol3mmol-S/L-water) 以下に管理する必要があると考えた。この基準で実験結果を考察すると, 硫化水素ガス発生の観点で問題となる廃棄物は, 建設混合廃棄物選別物では熱灼減量20%以上, 廃石膏ボ-ド類選別物では熱灼減量4%以上のものであり, また, 両者に共通する基準として, 廃棄物溶出試験液のTOC濃度が30mg/L以上のものであることが明らかになった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3985/jswme.14.248
- ISSN : 1883-1648
- CiNii Articles ID : 10011561786
- CiNii Books ID : AN10414685
- identifiers.cinii_nr_id : 9000239248799