2009年3月
LECラットならびにウィルソン病患者における尿中銅の状態(Determining the status of copper in the urine of Long-Evans Cinnamon rats and patients with Wilson's disease)
旭川医科大学研究フォーラム
- ,
- ,
- 巻
- 9
- 号
- 1
- 開始ページ
- 11
- 終了ページ
- 23
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 旭川医科大学
本研究ではウィルソン病患者ならびにLECラットにおける尿中の銅量および銅の性質を検討した。ラット由来の全ての尿試料と、幾つかの患者から提供された尿試料でCu(II)のESRシグナルが観測されたが、健常ボランティアから採取した試料からはこのシグナルが観測されなかった。Cu(II)シグナル強度は銅濃度にほぼ比例した。LECラットでは10週、17週、21週と週齢が進むのに対応してCu(II)シグナル強度、総アミノ酸量が増加した。アミノ酸量は常に銅量の100倍以上であり、これに対し総グルタチオン量は僅かであった。尿試料の測定でもCu(II)シグナル強度ならびに水酸ラジカル生成能はICP-MSにより決定した銅濃度にほぼ比例した。尿試料を分子量限界5000程度のろ過にかけてもESRの分析結果は変わらなかった。尿試料の分析で観測されたESRシグナルは、高分子には結合せず、酸化還元活性のある状態の銅の出現に由来し、シグナル強度は肝ないし腎からの銅のオーバーフローの度合いを示すだろう。(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
-
- ISSN : 1346-0102
- 医中誌Web ID : 2009232979
- CiNii Articles ID : 120001460056
- CiNii Books ID : AA11500816