2012年4月 - 2017年3月
仮名・漢字表記語の読みにおける音韻情報の役割
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
本研究では,仮名・漢字語を読む際の処理差について検討した。仮名・漢字語を読む際には,いずれの場合も,音韻情報が自動的に活性化され,語の形態親近性が高い場合には形態情報から,直接,意味情報が活性化されるが,語の形態親近性が低い場合には,音韻情報を介して意味情報が活性化されることが明らかとなった。一方,音韻-形態対応の一貫性を測定したところ,漢字語は仮名語と比べて音韻-形態対応の一貫性が低く,さらに,この差は,語を読んだり,聞き取ったりする際の処理に効果を持つことが明らかとなった。このように,仮名・漢字語間の処理差を検討する場合,語の音韻-形態対応の性質の違いによる効果を考慮する必要があるだろう
- ID情報
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- 課題番号 : 24530924
- 体系的課題番号 : JP24530924