共同研究・競争的資金等の研究課題

2005年 - 2008年

ボルネオ島における「自然災害」の人文学的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
17251015
体系的課題番号
JP17251015
配分額
(総額)
21,450,000円
(直接経費)
16,500,000円
(間接経費)
4,950,000円

5名がボルネオ先住民社会を各々担当し、「自然災害」の受容の仕方を調査研究した。イバン社会で河岸浸食を調査した祖田は、その複合的要因を明らかにし、人々の語る因果論との齟齬を指摘した。クメナ川流域社会を調査した石川は、地域史にも目を向け、自然災害への可塑性を人々の生存戦略のあり方から説明した。カヤン人の移住時の災いを調査した津上は、森と精霊・死霊・人間の関連の仕方を明らかにし、災いは「自然」侵犯へのしっぺ返しなどではないことを示した。スクラン川の鉄砲水に関するイバン住民の言説を調査した内堀は、鉄砲水についての今日的説明のあり方を詳細に描き、また民族学的に有名なタブー侵犯と洪水との因果論が成り立たないことを示した。動物への不適切な扱いが雷雨や洪水を引き起こすというプナン人の言説と儀礼を調査した奥野は、その観念が人間/動物の対等・対称的な関係を維持していることを指摘した。最終年度には現地大学に成果を持ち寄り、内外研究者を交えたセミナーを開いた。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-17251015/17251015seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17251015
ID情報
  • 課題番号 : 17251015
  • 体系的課題番号 : JP17251015