共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

低所得高齢者に対する居住・支援の包括的保障と養護老人ホームの役割に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K01336
体系的課題番号
JP20K01336
配分額
(総額)
1,560,000円
(直接経費)
1,200,000円
(間接経費)
360,000円

本研究は、介護保険法施行後の多様化した高齢者の住まいのなかで、これまで十分に学術的な検討の対象とされてこなかった措置施設である養護老人ホームに焦点をあて、その運用・運営実態を踏まえつつ、とりわけ低所得高齢者に対して適切な質と水準を備えた住まいおよび支援を包括的に保障するために、養護老人ホームと措置制度が果たすべき役割について、社会保障法学の観点から再検討を試みることを目的としている。
今年度は、第一に、文献研究として、前年度に引き続き、養護老人ホームの法的位置づけや役割の変化、措置制度をめぐる法改正の動向や学説状況について分析・検討を進めた。第二に、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、本年度も、老人福祉施設等を訪問して聞き取り調査を行うことができなかった。その代替策として、低所得高齢者が多い沖縄県の全養護老人ホームを対象にアンケート調査を実施した。また補足的に、遠隔会議システムを利用して、各施設への聞き取りを実施し、その運営実態を把握するように努めた。第三に、市町村における措置制度の運用実態の解明に関しても、同様に現地での聞き取りは実施できなかった。そのため代替的に、沖縄県内の市町村および福祉事務所を対象にアンケート調査を実施して、実態把握につとめた。さらに、沖縄県の状況と比較するため、新たに九州、関西、関東地区の一部の養護老人ホームや自治体職員経験者等に対しても、遠隔会議システムを利用して聞き取りを行った。
これらの実態把握の中心的な部分は、前年度に行う予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、今年度に振り替えて実施したものである。その関係で、当初は2021年度に実施予定であった老人福祉施設以外の多様な形態の住まいについての現状把握には着手することができなかった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K01336
ID情報
  • 課題番号 : 20K01336
  • 体系的課題番号 : JP20K01336