2012年8月
【脳卒中診療のパラダイムシフト-新たな疾患概念ACVSと新規治療戦略】 経口抗凝固療法 周術期の管理(歯科治療)
血栓と循環
- 巻
- 20
- 号
- 2
- 開始ページ
- 154
- 終了ページ
- 159
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (株)メディカルレビュー社
<論文のポイント>[1]日本人におけるエビデンスによる『科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン』が刊行された。これにより、抗血栓薬を服用している患者の抜歯において、血栓塞栓症や出血性合併症の発生を回避し、安全、安心な医療を患者に提供することが可能となった。[2]抗血栓療法を受けている患者において、抜歯にあたり抗血栓薬を中止・減量することは、血栓塞栓症のリスクが増加するため避けるべきである。[3]日本人を対象にした観察研究の結果から、INR値が3.0以下であればワルファリン継続下に抜歯可能である。また、術後出血を生じた場合でも、大多数は局所止血処置で対応可能である。[4]抗血栓療法患者の抜歯における局所止血方法は、酸化セルロース綿あるいはゼラチンスポンジを抜歯窩に填入し、創縁を縫合し、ガーゼによる圧迫を行う。[5]ワルファリン服用患者の抜歯にあたり、一定期間抗菌薬やNSAIDsを投与する場合は、INR値は上昇し術後出血の危険性が増加する。アセトアミノフェンは比較的安全に使用できる。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0919-7036
- 医中誌Web ID : 2012300833