共同研究・競争的資金等の研究課題

2016年4月 - 2020年3月

不正咬合に起因する“顎口腔サルコペニア”の実態と内分泌・免疫系因子との関連

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
16K11791
体系的課題番号
JP16K11791
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

臨床研究として、若年者および後期高齢者において、咬合状態とサルコペニアに関わる検査および筋委縮に関わる内分泌・免疫系因子を計測し、顎口腔サルコペニアの実態と不正咬合との関連の調査する計画であった。しかし、高齢者では歯の欠損状態や全身疾患などが四肢骨格筋力に影響することから、まず、若年者における顎顔面形態および咬合状態とサルコペニアに関連する握力および顎口腔機能を検討することとした。具体的には、不正咬合を伴う18~40歳の女性患者85名を研究対象者とし、顎顔面形態と不正咬合の指標としてセファロ分析を行い、SNA角、SNB角、ANB角、下顎下縁平面角、下顎角、overjet、overbiteを計測した。咬合状態の指標として叢生、overjet、overbite、正中のずれ、臼歯部咬合関係(近遠心・頬舌・垂直関係)の項目についてPAR indexを算出した。四肢筋力の指標として握力、顎口腔機能の指標として咬合接触面積と最大咬合力をそれぞれ測定し、握力との相関関係が報告されている身長を計測し、BMIを算出した。これらの計測項目と握力との関連を検討した。その結果、下顎角が握力と最も関連し、さらに小さなoverbiteと臼歯部の交叉咬合と鋏状咬合も握力と関連しており、これらは咬合力と関連していることが明らかとなった。これらの結果から、顎顔面形態と不正咬合が四肢骨格筋力である握力と関連することが初めて明らかとなり、矯正歯科治療による不正咬合の改善や咬合力の増加は、握力の増加に繋がる可能性が示唆された。これらの結果をまとめて、国際誌であるOrthodontic & craniofacila researchに投稿し、2019年2月21日に受理された。今後、掲載予定である。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-16K11791
ID情報
  • 課題番号 : 16K11791
  • 体系的課題番号 : JP16K11791